上まぶたのヒアルロン酸や脂肪注入は要注意
- 2023年6月9日
- 眼瞼下垂
クリニックひいらぎ皮膚科形成外科の藤木政英です。
あまり知られていませんが、上まぶたの陥凹は眼瞼下垂の症状の1つです。眼瞼下垂の一種である腱膜性眼瞼下垂は図のように瞼板と挙筋腱膜の結合が緩くなることにより生じますが、ときに眼瞼挙筋とともに眼窩脂肪というまぶたにある脂肪も後退することがあります。眼窩脂肪が後退することにより、上まぶたの陥凹が生じます。そのため、腱膜性眼瞼下垂の手術では瞼板と挙筋腱膜を固定することに加えて、後退した眼窩脂肪を引き出してきて固定します。
腱膜性眼瞼下垂の方の上まぶたにヒアルロン酸や脂肪注入だけを行う美容クリニックがあるようですが、根本的な原因を解決していないので全くおすすめできない治療法です。このように、ヒアルロン酸や脂肪注入を行わなくても、眼瞼下垂の手術を行うことで陥凹はかなり改善します(多少の陥凹が残存することはあります)。上まぶたの陥凹が気になる方は眼瞼下垂かもしれませんので、ヒアルロン酸や脂肪注入を受ける前に、まずはお気軽にご相談ください。
挙筋前転術について
【リスク・合併症】
腫れ、痛み、皮下出血、感染、左右差、閉瞼不全
【費用(片側)】
約22000円 (3割負担)
約7200円(1割負担)
監修 藤木政英(医学博士)
クリニックひいらぎ皮膚科形成外科 院長
皮膚科学と形成外科学の両面から最善の治療を提供しています。
これまで大学病院、虎の門病院、国立がん研究センターなど、第一線の病院で勤務してきた経験から、医学的根拠に基づく誠実な医療を行うことを心がけています。特に形成外科・皮膚外科の日帰り手術、レーザー治療に力を入れており、短時間で終える治療は初診時に行うことができる体制を整えています(詳しくはホームページをご覧下さい)。
皮膚や形態、機能の病気で悩む方に、「より良い人生を送るための医療」を提供するためにクリニックひいらぎを開院しました。