肥厚性瘢痕・ケロイド|クリニックひいらぎ皮膚科形成外科|目黒区・池尻大橋駅

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肥厚性瘢痕・ケロイド

肥厚性瘢痕・ケロイド|クリニックひいらぎ皮膚科形成外科|目黒区・池尻大橋駅

肥厚性瘢痕・ケロイド

手術やケガ、熱傷などでキズができると、周囲からキズを治す細胞が集まり、キズは治ります。通常は1~2カ月ほど経過するとキズの赤みが減り始め、半年~1年ほどで目立たなくなります。しかし、いつまでたっても赤みが引かず、次第に盛り上がってきて、かゆみや痛みなどの症状を伴うものを肥厚性瘢痕やケロイドと呼びます。

原因

皮膚は表層から表皮、真皮、皮下組織という構造になっています。キズが治癒する過程で感染や引っ張られる力などが加わることにより真皮に炎症が起こると肥厚性瘢痕やケロイドになるリスクが上がります。そのため、キズが深いほど、治るまでに時間がかかるほど、緊張がかかる部位であるほど要注意です。
さらに、ケロイドができるかどうかは体質も大きく関係しています(いわゆる「ケロイド体質」)。ケロイド体質の方は虫刺されや注射などの軽いきっかけでもケロイドができることあります。

肥厚性瘢痕とケロイドの違い

肥厚性瘢痕はもともと存在していたキズの範囲が赤く盛り上がるのに対し、ケロイドはもとのキズの範囲を越えて大きくなります。肥厚性瘢痕はかゆみや痛み(ピリピリ感)などの症状は軽いことが多いのですが、ケロイドは強いかゆみや痛み、引きつれ感で日常生活に支障をきたすこともあります。ただし、肥厚性瘢痕とケロイドは必ずしも明確に区別できるものではなく、両方の特徴を持った中間型のものもあります。

治療法

内服薬、貼り薬、ステロイド注射、手術の4つが主な治療法になり、いずれも保険適用です。さらに、自由診療になりますが、シワや腋窩多汗症などに用いられるボトックス注射が肥厚性瘢痕やケロイドを改善させることが報告されており、当院でも治療を行っています。

1.内服薬

リザベンという内服薬を用います。リザベンはキズを治す細胞の増殖を抑制する効果や、キズ痕の赤みやかゆみを軽くする効果があります。副作用として、頻尿や残尿感といった膀胱炎のような症状が出現することがあります。

2.貼り薬

ステロイドには抗炎症作用やキズを治す細胞が増殖するのを抑制する作用があり、エクラープラスターというステロイドを含むテープを病変に貼ることで治療を行います。入浴前にテープをはずし、入浴時に優しく洗います。そして、入浴後に再度テープを貼ってもらいます。ステロイドのテープを正常部分の皮膚に貼ると、血管拡張などの副作用が出ることがありますので、テープは病変部のみに貼って下さい。

3.ステロイド注射

ケナコルトというステロイドの注射を行います。月に1回注射をしますが、5~10回ほどで満足する方が多いようです。内服薬や貼り薬より高い効果を期待できますが、注射の痛みがやや強いことが難点です。治療を繰り返すと病変はやわらかくなりますので、徐々に注射時の痛みは軽減します。副作用として、血管拡張や皮膚の菲薄化、月経不順、(特に顔では)ニキビの悪化などがあります。

4.手術

病変を切り取り、形成外科的な縫合を行います。単純な手術のように見えますが、単に縫合したのみでは再発率が高く、手術前より悪化することさえあります。しかし、治療が上手くいけば最も高い効果を得られます
皮膚の真皮という部分に炎症や引っ張られる力が加わることが肥厚性瘢痕やケロイドの最大の原因です。そのため、真皮の下の筋膜や皮下組織を盛り上げるように縫合し、真皮に炎症や力が加わらないようにします。つまり、皮下組織を縫合した時点で、創縁がぴったりとくっついている状態となるように形成外科的な縫合をします。さらに、真皮を吸収される糸で縫合し、最後に皮膚の表面を縫合します。つまり、3層か4層で縫合することにより再発のリスクを最小限にします。
ただし、どれほど厳密に手術を行ったとしても、ケロイド体質の方は再発することがあります。そのため、手術後はテープやスポンジ、シリコンゲルシートなどを用いて圧迫を行うことが重要です。さらに、手術後に放射線照射を行うことで再発率が下がりますので、再発リスクが高い方にはお勧めすることがあります。手術をするかどうかの判断、手術の技術を含め、最も医師による治療結果の差が出やすい治療法であるため、専門医による治療を受けることが重要です。

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