ニキビ跡に対する「サブシジョン+ヒアルロン酸+炭酸ガスレーザー」治療後の一般的な経過
- 2024年6月11日
- 日帰り手術
クリニックひいらぎ皮膚科形成外科の藤木政英です。
ニキビ跡に対する「サブシジョン+ヒアルロン酸+炭酸ガスレーザー」の治療は広く知られるようになりましたが、アフターケアは治療結果を大きく左右するほど重要であり、アフターケアをおろそかにすると良い治療結果になりません(目立つ瘢痕や陥凹して治癒するリスクが高くなります)。そのため、治療後の経過とアフターケアを簡潔にまとめました。
ただし、治療後の経過やアフターケアは術前の状態や施術の部位によって変わりますし、個人差も大きいです。また、クリニックごとに考えも異なりますので、必ず担当医に確認してください。また、下記の経過を保証しているわけではありませんので、おおよその目安として参考にしてもらえたらと思います。
※常に最善の治療を追及しているため、内容は変更になることがあります。
➀施術当日
・施術直後から腫れと内出血が目立ちます(内出血は軽度のこともありますが、腫れはほぼ必ず出現します)。
・滲出液が多く、ガーゼの上層まで黄色の液が見られることがあります。
・サブシジョンの針孔から血がにじむことがありますが、多くの場合心配する必要はありません。
②施術翌日
・施術当日よりも腫れや内出血が目立ちます。多くの方は、この日が腫れのピークです(内出血のピークの時期は個人差があります)。
・炭酸ガスレーザー照射部位(以下、キズ)を「清潔に保つこと」と「乾燥させないこと」が重要であり、ヒリヒリすることがありますが洗顔してください(泡立てた石鹸や洗顔料で優しく洗ってください)。
・洗顔後に渡された軟膏を塗布し、ガーゼを当ててください。軟膏は塗布しすぎて悪いことはありませんので少しべとべとするくらいで構いません。軟膏が少ないと、乾燥やキズにガーゼが貼り付く原因になります。
・まだ滲出液が多いため、キズパワーパッドなどの創傷被覆材を使用することはお勧めしません(使用するとしても翌日に洗顔と交換をお願いします)。
③施術2~3日後
・まだ腫れや内出血は目立ちますが徐々に軽快していきます。
・キズを含めて洗顔してください(泡立てた石鹸や洗顔料で優しく洗ってください)。
・滲出液が減ってくるため、広範囲の施術後の方は必ずしもガーゼを当てなくて構いません。ガーゼを当てないときはキズが乾燥しないように軟膏を1日3回程度塗布してください。
・滲出液が減ってくるためキズパワーパッドなどの創傷被覆材を使っても構いません。しかし、キズが不潔にならないように創傷被覆材の中にゲル状のものが見えるときは洗顔と交換をお願いします。
④施術10日~2週間後
・腫れや内出血が改善していきます。
・引き続きキズの「清潔」と「乾燥させない」を徹底してください。
・キズが治癒したら化粧水、乳液、日焼け止め、化粧を使っていただいて構いません。ただし、「キズが治癒した」と判断することは難しいことがありますので、施術後2週間は軟膏や創傷被覆材を使用するのが無難です。
・キズが治癒後も「こすらないこと」と「日焼けをしないこと」を意識してください。
⑤施術1ヵ月後
・多くの方は、キズの赤みが強く残っています。
・キズの部分はピンク色だったり、やや白みがかっていることもあります。これは施術前の状態やキズの深さによって傷が治る過程が異なるために起こります。
・アイスピック型やローリング型を治療した部分は陥凹していることがあります。そのため、皮膚の赤みと陥凹により不安を感じやすい時期です。創傷治癒が進んでいる過程であり、時間経過で改善しますので過度に心配しないようにしてください。
・引き続き「こすらないこと」と「日焼けをしないこと」を徹底して下さい
⑥施術3~6ヵ月後
・赤みが改善し、創傷治癒が進むにつれて陥凹がゆっくり改善していきます。
監修 藤木政英(医学博士)
クリニックひいらぎ皮膚科形成外科 院長
皮膚科学と形成外科学の両面から最善の治療を提供しています。
これまで大学病院、虎の門病院、国立がん研究センターなど、第一線の病院で勤務してきた経験から、医学的根拠に基づく誠実な医療を行うことを心がけています。特に形成外科・皮膚外科の日帰り手術、レーザー治療に力を入れており、短時間で終える治療は初診時に行うことができる体制を整えています(詳しくはホームページをご覧下さい)。
皮膚や形態、機能の病気で悩む方に、「より良い人生を送るための医療」を提供するためにクリニックひいらぎを開院しました。