ささいなものでも顔のケガは形成外科を受診して下さい
- 2023年8月12日
- 形成外科
クリニックひいらぎ皮膚科形成外科の藤木政英です。
顔のケガをした小児例です。左の眉毛の上をケガして、お近くの救急外来でキズの縫合のみをしてもらったようです。顔貌がいつもと異なることをご両親が心配され、私の外来を受診して下さいました。
左の眉毛が下がっています(右の眉毛は上がってます)が、これはキズのせいで眉毛を上げることを嫌がっているわけではありません。眉毛を上げる筋肉(前頭筋)を支配する顔面神経側頭枝という神経が切れているため、左の眉毛を上げることができません。左の眉毛が下がったことにより、目が開けずらくなったため、がんばって目を開けようとして右の眉毛は逆に上がっています。
すぐに神経を縫合することができたため(この位置での神経の太さは0.7mmくらい!)、受傷後6か月の時点で眉毛の高さの左右差を認めません。神経を縫合することができなかったときは表情の左右差が残っていた可能性が高かったと思います。重要な神経や血管が多いため、顔のケガはささいなものでも形成外科を受診して下さい。土日に形成外科を標榜する医療機関がほとんどないと思いますが、当院は土曜日は19時まで、日曜日は13時まで診療しております。
監修 藤木政英(医学博士)
クリニックひいらぎ皮膚科形成外科 院長
皮膚科学と形成外科学の両面から最善の治療を提供しています。
これまで大学病院、虎の門病院、国立がん研究センターなど、第一線の病院で勤務してきた経験から、医学的根拠に基づく誠実な医療を行うことを心がけています。特に形成外科・皮膚外科の日帰り手術、レーザー治療に力を入れており、短時間で終える治療は初診時に行うことができる体制を整えています(詳しくはホームページをご覧下さい)。
皮膚や形態、機能の病気で悩む方に、「より良い人生を送るための医療」を提供するためにクリニックひいらぎを開院しました。