頭髪内の粉瘤はくり抜き法が第一選択
- 2025年6月24日
- 皮膚腫瘍、皮下腫瘍
クリニックひいらぎ皮膚科形成外科の藤木政英です。
以前に、粉瘤に対する紡錘形切除法とくり抜き法の違い、そして必要に応じてそれぞれの術式を使い分けていることを説明しました。
粉瘤に対するくり抜き法の誇大広告にご注意!|クリニックひいらぎ皮膚科形成外科|池尻大橋・渋谷・三軒茶屋
紡錘形切除法とくり抜き法はどちらかが一方的に優れた術式というわけではありませんが、「頭髪内の粉瘤」はくり抜き法を第一選択としています。 紡錘形切除法の利点の1つは感染後や再発した粉瘤でも治療できることですが、くり抜き法よりもわずかに(数mm程度のことが多い)手術瘢痕(キズ跡)が大きくなることが欠点です。
形成外科専門医は自分の縫合技術に絶対の自信を持っており(それだけのトレーニングを積んできた)、通常はわずかに手術瘢痕が大きくなることは問題となりません(病変の根治性、合併症のリスクなどのバランスで術式を決めます)。 ただし、どれほど丁寧に治療をしたとしても頭髪内の手術瘢痕は禿髪(髪が生えないこと)になります。もちろん形成外科専門医は禿髪の範囲を最小限にする縫合法を習得しているのですが、それでもわずかな禿髪は必ず生じます。
そのため、頭髪内の粉瘤は、(感染後や再発例でも)くり抜き法で少しでも小さい手術瘢痕となるように治療しています。
監修 藤木政英(医学博士)
クリニックひいらぎ皮膚科形成外科 院長
皮膚科学と形成外科学の両面から最善の治療を提供しています。
これまで大学病院、虎の門病院、国立がん研究センターなど、第一線の病院で勤務してきた経験から、医学的根拠に基づく誠実な医療を行うことを心がけています。特に形成外科・皮膚外科の日帰り手術、レーザー治療に力を入れており、短時間で終える治療は初診時に行うことができる体制を整えています(詳しくはホームページをご覧下さい)。
皮膚や形態、機能の病気で悩む方に、「より良い人生を送るための医療」を提供するためにクリニックひいらぎを開院しました。