肝斑にジュベルックが効く?
- 2025年6月20日
- 皮膚科
クリニックひいらぎ皮膚科形成外科の藤木政英です。
肝斑に対してジュベルックが効果的であったという論文が2本ありました。1つはJournal of Cosmetic Dermatologyに3例の症例報告がされており、その後にDermatologic Surgery(皮膚科医・形成外科医で知らない人はいない有名雑誌)で18例のケースシリーズが報告されていました。
Dermatologic Surgeryの報告では、42~74歳の18例の方にミラジェット(針を用いずにレーザーによって真皮に薬剤を導入する機器)で月に2~4回の頻度でジュベルックを5~9回投与し、MASI(肝斑の重症度の指標)が22.72から7.32に改善したという結果でした(p=0.004)。
ジュベルックが肝斑に作用した機序については詳しく言及されておらず、抗炎症作用や線維芽細胞の活性化によるコラーゲン生成が関与している可能性があるという程度の言及でした。また、皮膚の病理組織学的な評価は行われていませんでした。
まだ、現時点では肝斑に対するジュベルックの作用は十分に評価されていないと思いますので、肝斑に対してジュベルックの投与を推奨しているわけではありません。しかし、有効な治療法が少ない肝斑に対して新たな治療選択肢になるかもしれないという点でとても興味深い論文でした。
監修 藤木政英(医学博士)
クリニックひいらぎ皮膚科形成外科 院長
皮膚科学と形成外科学の両面から最善の治療を提供しています。
これまで大学病院、虎の門病院、国立がん研究センターなど、第一線の病院で勤務してきた経験から、医学的根拠に基づく誠実な医療を行うことを心がけています。特に形成外科・皮膚外科の日帰り手術、レーザー治療に力を入れており、短時間で終える治療は初診時に行うことができる体制を整えています(詳しくはホームページをご覧下さい)。
皮膚や形態、機能の病気で悩む方に、「より良い人生を送るための医療」を提供するためにクリニックひいらぎを開院しました。