顔は曲面である
- 2024年5月2日
- 日帰り手術
クリニックひいらぎ皮膚科形成外科の藤木政英です。
「顔は曲面である」
藤木は何を当たり前のことを言っているんだ、と思った方もいると思います。しかし、ニキビ跡に悩む方には知ってもらいたいことでもあります。
実はこのことを正しく認識している医師と認識していない医師では治療結果に大きな違いがあるのです。炭酸ガスレーザーによる治療を受けてもニキビ跡が改善しなかったと感じたことがある方は、このことが原因かもしれません。
以下の画像をご覧ください。
右こめかみのニキビ跡の画像ですが、赤丸で囲った部位が目立っている気がしませんか?実は、一見同じように見えるニキビ跡でも「目立つもの」として認識されやすいものがあるのです。
最初に述べたように顔は平面ではなく曲面であり、当然ですが下の画像のように顔の輪郭は側面に行くほど後方に回ります。私達は無意識下に顔を曲面であると認識しており、この形態から外れた状態に違和感を感じます。
そのため、下の図のように平坦なニキビ跡や顔の中央側が陥凹したニキビ跡は、輪郭に沿って陥凹しているように見えるため、比較的目立ちにくいです(もちろんこうしたニキビ跡も「炭酸ガスレーザー+ヒアルロン酸 or 脂肪注入+サブシジョン」で最大限目立たせなくすることができます)。
しかし、下の図のように顔の外側が陥凹するようなニキビ跡は、輪郭に沿っていないため外側のエッジが突出して見え、正面から見た際(自分で鏡を見た際)に目立つものとして認識されます。最初に述べた赤丸のニキビ跡はこのように外側が突出しているように見えるため目立っているように感じたのです。
そのため、こうした外側のエッジが目立つニキビ跡に対しては輪郭の形態を確認しながら、下図のように炭酸ガスレーザーで処置をしています。
しかし、実際にはニキビ跡は数十個あることが多いため、話はこの図のように単純ではありません。
つまり、ニキビ跡に対する炭酸ガスレーザーは単にエッジを削るのみではなく、輪郭や他のニキビ跡の形などのバランスを見ながら行う必要があり、いつもお伝えしているように「0.1mm単位でのこだわり」が必要だと考えます。
ニキビ跡の治療を受け改善しなかったように感じたとしても、諦めずに一度当院を受診していただければと思います。何か良い提案ができるかもしれません(良い提案ができるように最大限の努力をすることはお約束します)。
監修 藤木政英(医学博士)
クリニックひいらぎ皮膚科形成外科 院長
皮膚科学と形成外科学の両面から最善の治療を提供しています。
これまで大学病院、虎の門病院、国立がん研究センターなど、第一線の病院で勤務してきた経験から、医学的根拠に基づく誠実な医療を行うことを心がけています。特に形成外科・皮膚外科の日帰り手術、レーザー治療に力を入れており、短時間で終える治療は初診時に行うことができる体制を整えています(詳しくはホームページをご覧下さい)。
皮膚や形態、機能の病気で悩む方に、「より良い人生を送るための医療」を提供するためにクリニックひいらぎを開院しました。