眼瞼下垂における修正手術の重要性
- 2025年2月5日
- 眼瞼下垂
クリニックひいらぎ皮膚科形成外科の藤木政英です。
単純な埋没法と異なり眼瞼下垂の手術は上まぶたの解剖学的構造を変化させるため、どれほど多くのまぶたの手術を行ってきた医師でも一定の確率で修正手術が必要になります。そのため、まぶたの手術の経験が豊富な医師ほど、修正手術が必要になる可能性まで考えて初回手術を行っています。
なぜ修正手術のことも考えるかというと、初回手術より修正手術の方が難しく、簡単な修正と難しい修正があるためです。一般的に、「二重の幅を広げる、目の開きを大きくする、皮膚の余りを追加で切除する」手術はそれほど難しくありません。しかし、「二重の幅を狭くする、目の開きを小さくする、予定外重瞼線をなくす」手術は難しく、不確実性が高くなります。
そのため、私は少し控えめのイメージで初回手術を行っています。こちらの方は右の先天性眼瞼下垂の方ですが、初回手術では皮膚を1mm切除して挙筋腱膜前転術を行いました。初回手術後に開瞼幅の左右差はなくなっていますが、わずかにあった右の前頭筋代償が改善していた結果として余剰皮膚が生じています(その結果としてpretarsal showが小さい)。修正手術を行うことで重瞼も含めて左右差が少ない状態になったと思います。
もちろん修正手術を行う必要がないことが理想ではありますが、最善の治療結果を得るために一定の確率で修正手術が必要なことをご理解いただければ幸いです。
監修 藤木政英(医学博士)
クリニックひいらぎ皮膚科形成外科 院長
皮膚科学と形成外科学の両面から最善の治療を提供しています。
これまで大学病院、虎の門病院、国立がん研究センターなど、第一線の病院で勤務してきた経験から、医学的根拠に基づく誠実な医療を行うことを心がけています。特に形成外科・皮膚外科の日帰り手術、レーザー治療に力を入れており、短時間で終える治療は初診時に行うことができる体制を整えています(詳しくはホームページをご覧下さい)。
皮膚や形態、機能の病気で悩む方に、「より良い人生を送るための医療」を提供するためにクリニックひいらぎを開院しました。