シミ|クリニックひいらぎ皮膚科形成外科|池尻大橋・渋谷・三軒茶屋

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シミ

シミ|クリニックひいらぎ皮膚科形成外科|池尻大橋・渋谷・三軒茶屋

一般的に「シミ」と言われるものの中には、さまざまな疾患が混在しています。そのため、シミを治療する上で最も重要なことは「正しい診断を受ける」ことです。不適切な診断の結果、治療が奏功せず、状態が悪化することもありますので、たかがシミとは思わずに専門医が所属する医療機関を受診することが重要です。当院では、ダーモスコープという拡大鏡を用いて評価することに加え、皮膚画像診断機であるRe-Beau2(レビュー)を用いて肉眼では観察しにくい病変まで確認しています。

ここでは代表的なシミである、日光性色素斑、脂漏性角化症、雀卵斑、肝斑、ADMについて解説します。シミに対する治療は、保険適用外の自由診療になります。

シミと年齢について

個人差はありますが、年齢とシミの発生はある程度の関係があります。

20歳頃までは雀卵斑が多く、20代より日光性色素斑脂漏性角化症、ADMが見られるようになります。30代以降は肝斑が見られるようになりますが、肝斑は年齢とともに軽快する傾向があります。40代以降は日光性色素斑、脂漏性角化症が増加し、シミの大部分を占めることが多くなります。

日光性色素斑

日光性色素斑は老人性色素斑とも呼ばれ、「シミ」の中で最も頻度が高いものです。多くは40代以降に出現しますが、20代で見られることもあります(そのため、老人性色素斑という名称は不適切という意見もあります)。日焼けなどにより皮膚の炎症が起こると、メラノサイトというメラニンを作る細胞が活性化する、あるいは周囲の細胞がメラノサイトを活性化することによりメラニンが出現すると考えられています。また、日焼けの影響は蓄積し、年齢とともに日光性色素斑が出現する原因となります。そのため、普段から日焼けをしないように日焼け止めや遮光をすることが重要です。

症状

大きさは一定ではなく、数mmから5cmほどのものまであります。周囲との境界は明瞭で、多くは顔や手の甲などの露出部に出現します。

治療法

沈着したメラニンを取り除くことが治療になりますので、治療は「レーザーや光治療でメラニンを破壊する」、あるいは「外用薬を用いてメラニンを排出する」の2択、あるいはそれらの治療の組み合わせになります。当院ではいずれの治療も初診時にお受けになることができます。

1. レーザー治療

QスイッチYAGレーザーというメラニンに吸収される波長のレーザーを、ナノ秒(10-9秒)というごく短い時間に照射するレーザーを用います。メラニン以外のものには吸収されにくい波長のため、正常皮膚へのダメージは最小限になります。

照射する範囲によりますが、治療は数秒~数十秒で終わります。照射した部位は黒いかさぶたになりますので、最初は逆に濃くなったように感じることがあります。かさぶたは、1~2週間で自然に取れますので、自然に取れるのを待ってください。炎症後色素沈着の可能性が高くなるので、決してこすったり、爪で削ったりしないでください。かさぶたが取れた後は薄いピンクの皮膚になり、ほとんど目立たなくなりますが、周囲の皮膚となじむには3カ月ほどかかります。

炎症後色素沈着について

かさぶたが取れた1~2週間後に日光性色素斑が合った部位に炎症後色素沈着という茶色の色素斑を生じることがあります。日光性色素斑が取れて薄いピンクの皮膚になったのに、シミが再発したように感じます。これは再発ではなく、レーザー照射に伴う炎症をきっかけにメラノサイトが活性化し、一時的にメラニンを排出した状態です。炎症後色素沈着はしばしば生じる合併症であり、その確率をゼロにすることはできません(特に日本人は生じる割合が高いとされています)。

炎症後色素沈着は、炎症の改善とともに自然に軽快し、顔は半年~1年、体は1~2年くらいで目立たなくなります。炎症後色素沈着を悪化させないようにこすらないこと、紫外線を浴びないことが重要です。炎症後色素沈着を早く軽快させるためにトラネキサム酸(トランサミン)の内服やトレチノイン・ハイドロキノンの外用を行うことがあります。

2. IPL(フォトフェイシャル)

IPLとはIntense Pulsed Lightの頭文字を取ったもので、フォトフェイシャルと言われることもあります。皮膚に光を照射することでメラニンや毛細血管を破壊し、シミやくすみ、赤ら顔などの治療を最小限のダウンタイムで治療することができます。また、真皮のコラーゲンの産生を促すことで、皮膚のハリや質感も改善します。

IPL4001200nmという広い波長を有しており、有害な紫外線を取り除いた光を照射することにより効果を現します。レーザーとは基本的に単一波長の光線のことであるため、正確にはIPLはレーザー治療ではありません。

IPLの最大のメリットは、ダウンタイムがほとんどないことです。レーザー治療は1度で高い効果を期待できますが、かさぶたや炎症後色素沈着などのダウンタイムが伴います。IPLでも薄いかさぶたができることはありますが、洗顔や入浴、メイクには制限はなく、軟膏を塗ったりガーゼを貼ったりする必要もありません。レーザー治療と比較すると手軽な優しい治療になりますので、回数を重ねることで徐々にきれいな皮膚になっていきます。

当院のIPLはルミナス社の「ステラM22」を採用しています。ステラM22は厚生労働省から薬事承認を受けている医療機器であり、お悩みに合わせて6種類のフィルターを用いて最適の設定をすることができます。そのため、幅広い皮膚の悩みに働きかけながらも、さらに改善したいお悩みに対して特に効果を現すことができます。例えば、波長の短いフィルターは皮膚表面に近いメラニンに反応しますので皮膚のトーンアップが期待できますし、波長の長いフィルターは皮膚の深部に反応し皮膚の引き締めを行うことができます。

皮膚を冷却する装置がついているため、ゴムで軽くはじかれた程度の痛みはありますが、麻酔なしで十分に治療を受けることができます。痛みに弱い方は出力を調整することもできますので、ご遠慮なくお申し出ください。

3. 外用薬

トレチノインハイドロキノンという2種類の外用薬を使います。トレチノインは、皮膚のターンオーバーを促進することでメラニンを排出する作用があります。副作用として赤み、ヒリヒリ、皮むけ、乾燥などの症状が出現することがあります。しかし、こうした副作用はトレチノインの効果が出ていることを意味していますので、強い症状でない限り継続して下さい。トレチノインには0.1%、0.2%の濃度があり、皮膚の状態に合わせて濃度を調整します。
ハイドロキノンは、メラノサイトがメラニンを産生することを抑制します。ハイドロキノンはかぶれ(接触性皮膚炎)を起こすことがありますので、かぶれた際は使用を中止して下さい。ハイドロキノンにもいくつか濃度はありますが、一般的に5%のものが広く使われており、当院でも5%のものを用いています。
トレチノインとハイドロキノンはそれぞれ単独でも使用できますが、単独での効果は高くありません。日光性色素斑を改善させるためには、トレチノインとハイドロキノンを併用する必要があります。入浴後に、化粧水→トレチノイン→ハイドロキノン→乳液の順番で使用して下さい。通常は1日1回使用しますが、効果が少ないときは1日2回使って下さい。

医療機器を用いずに自宅でシミの治療をできる点で優れていますが、外用を数カ月間継続する必要があることが欠点です。そのため、レーザーや光治療が発達するにつれて徐々に使用される頻度は減っています。

脂漏性角化症

脂漏性角化症は、皮膚の最も浅い部分である表皮の基底細胞が異常増殖することによって生じます。老人性疣贅と呼ばれることもありますが、20代から出現します。

症状

褐色~黒色で、多くは少し盛り上がっています。周囲との境界は明瞭で、多くは顔や手の甲などの露出部に出現します。

治療法

保険診療で治療を行うには冷凍凝固療法を用いることになります。冷凍凝固療法は-196℃の液体窒素で病変を壊死させますが、壊死させる組織の深さや範囲を厳密に調整できません。そのため、複数回(多くは3~5回)の治療が必要になるだけでなく、画像のように瘢痕や色素沈着を起こす可能性が高いことが欠点です。そのため、当院では脂漏性角化症に対して冷凍凝固療法をお受けになることはお勧めしていません。
表皮病変である脂漏性角化症は炭酸ガスレーザー(自由診療)で表皮のみ、あるいは真皮浅層までをablation(削皮)することで、1度できれいに治ります。顔や首のみではなく、体や四肢の病変も炭酸ガスレーザーで治療可能です。レーザー照射後は1週間ほど、軟膏とテープによる処置を行い、キズを治癒(上皮化)させます。上皮化した部分はピンク色になりますが、2~3ヵ月程度で周囲の皮膚と馴染んできます。              

雀卵斑

いわゆる「そばかす」のことです。他のシミと異なり小児期に発症することが多く、思春期にかけて濃くなり、数も多くなります。その後、年齢とともに徐々に薄くなりますが、多くは完全には消えません。

症状

下まぶた、頬部、鼻根部に見られることが多く、1~5mmほどの茶色の色素斑が、左右対称性に生じます。

治療法

治療法は日光性色素斑と同じです。雀卵斑もレーザーの効果が高いため、色調が濃いものはレーザー照射が有効です。ただし、雀卵斑は多発する傾向があるため、初めて治療する方は、いきなり全ての部分にレーザーを照射することはお勧めできません。まずは、数カ所にレーザー照射を行い、アフターケアとレーザーの経過を確認し、改めて広範囲に治療することが望ましいです。

不適切なアフターケアは炎症後色素沈着を引き起こしますので、雀卵斑は効果を確認しながら治療を進めていくことをお勧めします。

また、雀卵斑はIPLの効果が高いため、ダウンタイムを許容できない方はIPLによる治療をお受けになることをお勧めします。

肝斑

肝斑は30~50代の女性に好発し、男性にはあまり見られません。肝斑は非常に不思議なシミであり、発症原因はよくわかっていませんが、メイクや洗顔時の物理的刺激や紫外線などの外的刺激による慢性炎症によってメラノサイトが活性化することが原因の1つなのは間違いありません。シミの中で、唯一有効な治療法が確立しておらず、最も治療が難しいものです。しかし、治療が難しいからと言って何もしないのであれば、肝斑に悩む方の力になることができません。当院は専門医が所属する医療機関として、医学的根拠に基づき期待される効果とリスクを説明した上で積極的な治療を行っています。

症状

左右対称性に、輪郭がはっきりしない地図状の色素斑が主に頬部に生じます。紫外線が強くなる春から夏にかけて色調が濃くなり、秋から冬にかけて薄くなります。

治療法

肝斑は決定的な治療法が確立しておらず、ほとんどの方がトラネキサム酸(トランサミン)やビタミンC(シナール)の内服を行い、効いているかどうかの評価もされていないのが現状です。内服薬は比較的安価であり、少なくとも肝斑を悪化させるリスクはないため、医療機関としては処方しやすいという背景もありますが、日常生活の改善を行わずに内服薬単独で効果を実感できる方は多くありません。

1. 日常生活の工夫

肝斑は顔のこすり過ぎや紫外線などの外的刺激による炎症が大きく関与しています。そのため、「洗顔時に手ではなく、泡で洗う意識を持つ」「日中は日焼け止めや帽子、サングラスを徹底する」などの生活の工夫は必須になります。肝斑の治療には、こうした外的刺激を最小限にすることが最も重要です。

2. 内服薬

トラネキサム酸(トランサミン)の内服を行います。トラネキサム酸は、抗炎症作用やメラノサイトの活性化を抑制することにより、肝斑を改善します。生活習慣の改善とともに内服を行えば23ヵ月ほどで効果を実感できる方が多いです。

トラネキサム酸は止血作用があるため、狭心症、脳梗塞、深部静脈血栓症、閉塞性動脈硬化症、ピルの内服を行っている方は内服することはできません。

3. 外用薬

メラニンの産生抑制作用を有するハイドロキノンを用いることで、新たなメラニン産生を抑制します。メラニン産生を抑制することにより肝斑は薄くなりますが、肝斑の原因は慢性炎症によるメラニンの増生であるため、根本的な原因を治療しているわけではありません。そのため、外用中は薄くなることを実感できますが、使用を中止すると再燃することがあります。

そのため、当院ではナビジョンDRというトランサミンを含んだスキンケア用品をお勧めしています。トランサミンを用いてメラノサイトの活性化を抑制し、肝斑を改善させます。

4. レーザートーニング

これまで肝斑に対してレーザーを照射してはいけないとされてきました。今でも通常の方法でレーザーを照射すると肝斑は悪化するのですが、15年ほど前から「レーザートーニング」という新しい照射方法が行われるようになっています。レーザートーニングは低出力で、顔全体にレーザーを照射する方法です。1度の照射で軽快することは少なく、多くの方は35回ほどの照射で効果を実感できます。
レーザートーニングは痛みも少なく、特別なアフターケアも必要ないため、急速に広がった治療法です。作用機序として表皮のメラニン色素を破壊するだけではなく、皮膚のターンオーバー亢進、メラノサイトの機能や活動性を低下させることが報告されています。しかし、まれではありますが色素脱失や肝斑の悪化が起こることも知られています。そのため、肝斑に対するレーザートーニングによる治療は医師の間でも賛否があります。レーザートーニングがどのような肝斑に有効なのか、どの程度の方に色素脱失や悪化が起こるのか今のところ十分にはわかっていません。

ADM

ADMとはAquired Dermal Melanocytosisの略であり、後天性真皮メラノサイトーシス、遅発性太田母斑様色素斑と呼ばれることもあります。20~40歳頃に両側の下まぶた、頬部に出現することが多く、ときにこめかみ、鼻根、前額部にも出現します。多くは両側対称性ですが、片側性に出現することもあります。

ADMは太田母斑、異所性蒙古斑などと同様に真皮メラノサイトーシスという真皮のメラニンが主体の病変ですが、ADMの最大の特徴は、色素の原因となるメラニンが表皮(皮膚の浅い層)と真皮(皮膚の深い層)の2層にあることです。 

症状

他のシミとは異なりやや青みがかっているのが特徴です。日光性色素斑や雀卵斑は表皮のメラニン沈着であるため茶色に見えますが、ADMはメラニン色素が真皮にも存在しているためこのような色調になります。

治療法

ADMは他のシミと異なり、表皮と真皮の2層にメラニンが沈着しています。ただし、厳密には表皮のメラニンの病的意義には諸説あり、「表皮のメラニンを除去してレーザーを照射した方がいい」という意見と「そのままレーザーを照射していい」という意見があります。表皮のメラニンを除去する方法は遮光、スキンケア、トランサミンの内服、トレチノインとハイドロキノンの外用などがあります。トレチノインとハイドロキノンの外用が煩雑で時間がかかるのに対して、遮光やスキンケア、トランサミンの内服はは容易に行うことができる方法なので、まずはここから取り組むのがいいと考えます。

そのため、ADMの治療方針は以下の通りです。

①遮光、スキンケア、(必要によって)トランサミンの内服による表皮のメラニンの除去

②レーザー照射による真皮(+表皮)のメラニンの除去

③改善しないときはトレチノインとハイドロキノンの外用後にレーザー照射

トレチノインとハイドロキノンを用いるときは23ヵ月ほど外用し、表皮のメラニンを除去します。この時点では真皮のメラニンが残っているため、色調の改善は乏しいです。23カ月ほど使用したら、レーザーを用いて真皮のメラニンを除去します。この治療を1クールとして、色調が改善するまでこれを23クール繰り返します。
このように本来ADMの治療は時間と治療戦略が必要なのですが、レーザーや外用薬だけで治療して十分な効果が得られずに治療を諦めてしまった方が多くいます。他院で治療しても軽快しないADMも相談にお越しください。

費用

炭酸ガスレーザー

3mm未満 11,000円
3~5mm 16,500円
5~10mm 22,000円
10~15mm 33,000円
15~20mm 44,000円
20~30mm 55,000円
全顔 110,000円
110,000円

レーザースポット照射

1個 11,000円
5個以内 33,000円
全顔 55,000円

レーザートーニング

全顔 1回 11,000円
5回

44,000円

IPL

※2パス(2回照射)の費用です。

全顔 1回 11,000円
5回

44,000円

首 or 手の甲 1回 11,000円
5回 44,000円
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