陥入爪・巻き爪
陥入爪・巻き爪
巻き爪と陥入爪は似ているようで別の病気です。巻き爪は、下の皮膚をつまむように爪が巻いている状態のことであり、いわゆる一般的にイメージされるいわゆる「巻き爪」のことです。陥入爪は爪の先端が皮膚に食い込んでいる状態のことであり、必ずしも爪が巻いているわけではありません。巻き爪と陥入爪は合併して起こることもあります。
もともと爪は何もしないと自然に巻くようになっています。しかし、普段は歩いたり立ったりすることで外からの力が加わることにより爪は真っすぐな状態を保ちます。歩行できない方の爪が曲がっているのは日常的に足の指に力が加わらないためです。しかし、歩くことができる方でも足の指に十分に体重がかかっていない場合は巻き爪になることがあります。他にも、外反母趾や扁平足も巻き爪の原因となります。
陥入爪の原因としては先の細い靴、肥満、足の不潔な環境などがあります。
何も症状がないこともありますが、感染が起こると赤みと腫れが強くなり、肉芽(にくげ)と呼ばれる赤い盛り上がりが生じることがあります。肉芽ができるとさらに爪が皮膚を圧迫するようになるため痛みが強くなります。
爪が巻いているだけで、日常生活を支障なく過ごすことができる方は必ずしも治療をする必要はありません。巻き爪でも陥入爪でも、痛みや腫れなどの症状がある方は治療をお勧めします。
主に陥入爪に対して行うフェノール法という手術があります。局所麻酔後に、感染の原因となっている端の爪を3-4mmほど切除します。再発しないように爪母と呼ばれる爪の根本をフェノールという薬で処置します。手術は10分ほどで終わり、手術後は歩いて帰宅することができます。唯一の陥入爪の根本的な治療であり、痛みや腫れなどの症状は手術後すぐに改善することが多いことが特徴です。
肉芽ができた陥入爪に何度も液体窒素をしている医療機関がありますが、治療期間や痛みが続く期間が長くなり、効果も乏しいのでお勧めしません。肉芽ができるような陥入爪はフェノール法を行い、同時に肉芽を切除する方法が最も有効です。
巻き爪に対する手術もありますが、巻き爪は爪矯正法の選択肢が増えたため、最近ではほとんど行われなくなりました。
ワイヤー、VHO、巻き爪マイスターなどの矯正器具があります。曲がった爪をまっすぐにする効果があり、装着後すぐに痛みが軽くなることが多いことが特徴です。しかし、爪が伸びていないと装着できない、矯正器具を外すと爪は再度曲がってくることが多いことが欠点です。
当院では爪矯正法は行っておりません。
爪の横の皮膚を引っ張ってテープで固定することにより、皮膚への食い込みを少なくします。最も簡単にできる方法ですが、毎日交換する必要があり、テーピングをやめると症状が再発します。
※手術費用の他に、診察料などがかかかります。
項目 | 料金 |
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フェノール法 | 約7,500円(3割負担) 約2,500円(1割負担) |