眼瞼下垂|クリニックひいらぎ皮膚科形成外科|池尻大橋・渋谷・三軒茶屋

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眼瞼下垂

眼瞼下垂|クリニックひいらぎ皮膚科形成外科|池尻大橋・渋谷・三軒茶屋

眼瞼下垂とは、さまざまな原因により上まぶたが下垂し、十分に目を開くことができない状態のことです。見た目の問題だけではなく、視野が狭い、頭痛がする、まぶたが重いなどの症状の原因となることがあります。

原因

1.腱膜性眼瞼下垂

眼瞼挙筋という筋肉が瞼板を持ち上げることでまぶたは開きますが、この眼瞼挙筋と瞼板をつないでいるのが挙筋腱膜とミュラー筋という組織です。腱膜性眼瞼下垂はこの挙筋腱膜とミュラー筋にゆるみが生じ、眼瞼挙筋の力をうまく瞼板に伝えられないことで起こります。主に加齢によって生じますが、コンタクトレンズ(ソフトでもハードでも起こりますが特にハードの使用者に多い)の長期使用やまぶたのこすり過ぎが原因となることがあります。

2.皮膚性眼瞼下垂

皮膚弛緩症と言われることもあり、主に加齢によって生じます。余った皮膚が下垂することによって症状が生じます。

3.先天性眼瞼下垂

生まれつき眼瞼挙筋の動きが弱い、あるいは全く動いていないことによって起こります。
多くは片側のみですが、両側に起こることもあります。重度の先天性眼瞼下垂では弱視を生じることがあるため、眼科医と連携して治療を行います。

4.その他の眼瞼下垂

動眼神経麻痺、顔面神経麻痺、重症筋無力症、外傷、眼瞼痙攣などによっても生じることがあります。

正常

腱膜性眼瞼下垂

皮膚性眼瞼下垂

先天性眼瞼下垂

症状

眼瞼下垂の症状は必ずしも上まぶたが下垂することだけではありません。以下の項目に1つでも当てはまる方は眼瞼下垂の可能性があるため、まずは診察を受けることをお勧めします。

  • 眠そうな目をしていると言われる
  • 上の視野が狭い
  • 前を見るときに顎を上げる
  • おでこの筋肉が緊張して頭痛がする
  • おでこのシワが深くなる
  • 二重の幅が狭くなる(あるいは広くなる、三重瞼になる)
  • まぶたがくぼんでくる
  • 頭痛がする

保険適用の目安

・おでこの筋肉(前頭筋)を使わずに目を開いたとき、上まぶたが黒目(瞳孔)にかぶさっている方

・視野が狭い、まぶたが重い、頭痛がするなどの自覚症状がある方

上記の症状があったとしても医師の診察の結果、保険適用とならないことがあります。

術式や使用する機器は保険適用でも自由診療でも変わりません。

治療法

当院は、頻度が高い腱膜性、皮膚性の眼瞼下垂のみではなく、先天性や外傷・顔面神経麻痺に伴う眼瞼下垂、他院手術後の修正など、どのような原因で生じた眼瞼下垂の治療にも対応しております。

1.挙筋腱膜前転術

ゆるんだ挙筋腱膜を正常な位置に固定する手術であり、代表的な眼瞼下垂の手術です。眼窩脂肪の影響によって目が開きにくくなっていることがあるため、目の開きを改善させるために眼窩脂肪を切除することがあります。腱膜性眼瞼下垂だけではなく、先天性眼瞼下垂でも行うことがあり、最も目の開きを調整しやすい手術法です。また、眼窩脂肪が多い方は同時に切除することもできますし、上まぶたの陥凹がある方は眼窩脂肪の位置を調整することで陥凹をある程度改善させることができます。

皮膚を切開したところは重瞼線(二重の線)に隠れるため、キズ跡はほとんど目立ちません。しかし、重瞼線付近の皮膚は薄く、この薄い皮膚を過度に切除することは望ましくありません(厚ぼったい印象の目になります)。そのため、皮膚を切除できる大きさに制限があるのが欠点です(最大切除幅は若年者で3mm・高齢者で6mm程度が目安ですが、個人差が大きく高齢者では10mm以上切除することもあります)。また、皮膚が薄い部分を切開するため腫れや内出血も目立ちやすいことも欠点です。

挙筋前転術・施術箇所

二重の線に一致するのでキズ痕はほとんど目立ちません

眼瞼下垂の手術youtube動画

2.眉毛下皮膚切除術

主に皮膚性眼瞼下垂で行われる手術です。眉毛の下の皮膚を切除することにより、下垂した皮膚を持ち上げ、視野を広くします。一般的に眉下リフト、眉下切開と呼ばれることもあります。

眉毛の下の厚い皮膚を切除し、上まぶたの薄い皮膚は温存するため、目の印象が変わりにくいという利点があります。皮膚を切除できる範囲に制限が少ないため、重度の皮膚性眼瞼下垂も治療できます。最大15mm程度の皮膚を切除することもあります。

眉毛の下にキズ跡が残ることが欠点ですが、眉毛の下のキズはきれいに治りやすく、極力キズ跡が眉毛の中に隠れるように工夫して手術を行います。特に女性の方は、普段眉毛の化粧を行う範囲にキズ跡がおさまるように手術を行いますので、ほとんど目立ちません。しかし、若い方ほどキズ跡が目立ちやすい手術であるため、20代や30代前半の方にはお勧めしていません

キズ痕が目立たないようにごくわずかに眉毛に切り込みます

眉毛の下にキズ痕が残りますが徐々に目立たなくなります

眉毛下皮膚切除術で皮膚を細かく縫合する理由

眉毛下皮膚切除術のように縫合する創縁の長さが異なるとき(上が短く、下が長い)は、どれほど正確に真皮縫合(皮膚の下を吸収される糸で縫うこと)を行ってもわずかな段差(創縁の高さの違い)は残ります。そのため、眉毛下皮膚切除術では、このわずかな段差を修正するために皮膚を細かく縫合します。もちろん皮膚の血流を阻害するほど細かく縫合してはいけませんが、顔の皮膚は血流がいいので、適切に縫合を行えば血流障害のリスクはほとんどありません。

3.前頭筋吊り上げ術(大腿筋膜 or 人工物)

重度の先天性眼瞼下垂の方に適応となります。大腿採取した筋膜(大腿筋膜)や人工物(PTFEシート)を用い、おでこの筋肉(前頭筋)と瞼板に筋膜や人工物を固定することで、前頭筋を用いて目を開くようになります。眉毛上のキズ跡は1.5cmほどです(正確には眉毛上縁よりわずかに眉毛側を切開しキズ跡が目立たないように配慮しています)。キズ跡が問題となることはほとんどありませんが、目を開ける幅を調整することが難しく、大学病院や基幹病院などで十分な経験を積んだ医師しか行うことはできません。

4.埋没法

若年者で「まぶたが重い」という自覚症状が強い方に適応となることがあります。

若年者で「まぶたが重い」という自覚症状がある方のほとんどは眼瞼下垂ではありません。20~30代の方でこのような症状がある方はご自身の目を鏡で見てください。もしかしたら睫毛の生え際が見えず、睫毛の上の皮膚が睫毛にかぶさっているかもしれません。このように睫毛の上の皮膚が睫毛にかぶさると「まぶたが重い」という自覚症状を生じます。つまり、若年者の「まぶたが重い」理由のほとんどは、眼瞼下垂ではなく睫毛の上の皮膚が原因です。

このような状態のとき、睫毛の上の皮膚のかぶさりを改善すると自覚症状も改善します。しかし、若年者には眉毛下皮膚切除術による皮膚の調整はお勧めできないため、埋没法が重要な治療選択肢になります。

術式:埋没法

リスク:内出血、腫れ、痛み、肥厚性瘢痕・ケロイド、縫合不全、感染、左右差、炎症後色素沈着、修正手術の可能性、局所麻酔のアレルギーなど

費用:110,000円(両側、自由診療)

埋没法はキズ跡が残らず、腫れや内出血などのダウンタイムも短く、治療結果も安定しているため、非常に優れた術式です。しかし、目を開ける幅を調整することができず、過度に広い二重幅にすると逆に眼瞼下垂の症状が悪化することもあります。

埋没法は保険適用外の自由診療です。当院は、瞼板法・挙筋法、表留め・裏留めともに対応可能ですが、強いご希望がないようなら治療結果が最も安定している瞼板法の表留めで、2点あるいは3点固定をお勧めします。

合併症

しばしば起こるもの:腫れ、皮下出血、Lid lag

まれに起こるもの:感染、術後出血、創部離開、予定外重瞼線、下垂の低矯正・過矯正、左右差、ドライアイ、肥厚性瘢痕・ケロイド、神経障害、局所麻酔のアレルギー反応・アナフィラキシーショック、縫合糸の異物反応、角膜損傷

Lid lag(リッドラグ)について:主に先天性眼瞼下垂に対して前頭筋吊り上げ術を行った際に生じます。視線を正面から下に移動させた際、健側(正常側)では上まぶたが下がりますが、患側(手術を行った側)では上まぶたが下がるのが遅れて、健側より広い範囲の白目が見えます。

保険診療の手術は仕上がりを重視しない?

保険診療の手術では、「デザインを重視しない」「仕上がりに不満を言ってはいけない」「医師は目を開けることができればよいと考えている」などの噂があるようです。美容クリニックが「保険診療の眼瞼下垂は仕上がりを重視しない」と発信するのは当然ですし(そう言わないと患者さんは自由診療で高額の費用を支払う理由がなくなる)、保険診療を行うクリニックの方が情報を発信する頻度が少ないためにこのような噂が事実かのように語られています。これまで保険診療、自由診療ともに数多くの眼瞼手術をしてきましたが、当院では保険診療の方がデザインや手術に時間がかかります
自由診療は、ご本人の希望を正しく把握する、ダウンタイムを最小限にする、などの特有の難しさはありますが、基本的に正常のまぶたのため、希望する仕上がりに合わせてデザインをすることはそれほど難しくありません(ただし、デザインを精密に行っても必ずしも希望する仕上がりになるとは限りません)。しかし、保険診療は、年齢、上まぶたの皮膚の余り、前頭筋(おでこの筋肉)の緊張、挙筋機能(目を開ける力)、眼窩脂肪の変性、瞼板と挙筋腱膜の結合などによってまぶたの解剖や状態が変化するため、考慮するものがたくさんあります。そのため、保険診療の眼瞼下垂のデザインは難しく、当院では術前のデザインに配慮するだけではなく、術中に目の開きや形態を確認しながらデザインを微調整しています。また、手術中に何度も鏡をお見せして、仕上がりを確認しています(1度の手術で10回、20回と確認することも少なくありません)

保険診療、自由診療ともにデザインや仕上がりに最大限の配慮をする必要があるのが眼瞼手術であり、自由診療の方が仕上がりが良いということはありません(保険診療の方が仕上がりが良いという意味ではありません)。保険診療、自由診療ともに術式、使用する医療機器に大差はなく、眼瞼手術の仕上がりは医師の技術や経験、妥協しない姿勢に依るところが大きいです。そして、多くの方を治療してきた経験からは、最終的には患者さんとよく話しをし、最大限丁寧に治療をすることに尽きると感じています。そのため、眼瞼下垂の治療を受ける際には、保険診療か自由診療かよりも、まぶたの手術の経験が豊富で信頼できる医師を見つけることが最も重要です。

上まぶたの陥凹(へこみ)について

あまり知られていませんが、上まぶたの陥凹(へこみ)は眼瞼下垂の症状の1つです。眼瞼下垂の一種である腱膜性眼瞼下垂は瞼板と挙筋腱膜の結合が緩くなることによって生じますが、眼瞼挙筋とともに上まぶたの脂肪(眼窩脂肪)も目の奥の方に引き込まれることがあり、結果として上まぶたの陥凹が生じます。そのため、腱膜性眼瞼下垂の手術では、後退した眼窩脂肪を引き出してくることによって上まぶたの陥凹を改善させることができます。

 

術式:挙筋腱膜前転術

リスク:内出血、腫れ、痛み、肥厚性瘢痕・ケロイド、縫合不全、感染、左右差、炎症後色素沈着、修正手術の可能性、局所麻酔のアレルギーなど

費用:約45,000円(両側、3割負担の場合)

腱膜性眼瞼下垂の方の陥凹した上まぶたにヒアルロン酸や脂肪注入だけを行うクリニックがあるようですが、根本的な原因を解決していないので全くおすすめできない治療法です。腱膜性眼瞼下垂によって生じた上まぶたの陥凹の治療は挙筋腱膜前転術が最善であり、このようにヒアルロン酸や脂肪注入を行わなくても大きく改善させることができます。

しかし、ときに挙筋腱膜前転術後も陥凹が残りますので、その際はヒアルロン酸や脂肪注入を検討します。

眼瞼下垂の手術を受ける方へ腫れを少なくするためのアドバイス

まぶたの皮膚は薄いため手術後は腫れやすいことが特徴ですが、腫れを最小限にするためのアドバイスがあります。

それは、「手術中に極力緊張しないこと」、「手術当日と翌日は冷やすこと」です。手術中に緊張すると血圧が上がり、出血や腫れは明らかに強くなります。当院は緊張せずに手術を受けていただけるようにさまざまな工夫しておりますので、手術中はリラックスしていただくくらいの気持ちで良いと思います。また、手術当日と翌日は冷やしたガーゼをまぶたに乗せて眠ることをお勧めします。「腫れを少なくする内服薬や点滴」を行うクリニックがあるようですが、残念ながら医学的根拠のあるものは今のところありません。

私達も手術中にまぶたを冷却する、出血量を減らすなどの工夫を行い、腫れを最小限にするように努めています。まぶたの手術は安全性が高く、十分に確立している手術であるため、緊張せずに手術を受けてください。

眼瞼下垂の治療は「わずかに控えめ」が重要!

単純な埋没法と異なり、眼瞼下垂の手術は上まぶたの解剖学的構造を変化させるため、手術前に仕上がりを完全にシミュレーションすることができません(仕上がりに近いイメージのシミュレーションはできます)。そのため、手術後に「仕上がりがわずかにイメージと違った」という不満(特に、二重の幅、目の開き具合、皮膚の余り)が生じる可能性があり、結果として修正手術が必要になることがあります。しかし、実はどれほど多くのまぶたの手術を行ってきた医師でも、一定の確率で修正手術が必要になります。そのため、まぶたの手術の経験が豊富な医師ほど、修正手術が必要になる可能性まで考えて初回手術を行っています

なぜ修正手術のことも考えるかというと、初回手術より修正手術の方が技術的に難しく、簡単な修正と難しい修正があるためです。一般的に、「二重の幅を広げる、目の開きを大きくする、皮膚の余りを追加で切除する」手術はそれほど難しくありません。しかし、「二重の幅を狭くする、目の開きを小さくする、予定外重瞼線をなくす」手術は難易度が高くなります。いったん手術を行うと瘢痕組織ができてしまうため、こうした修正を行うには丁寧に瘢痕組織を剥離することになりますが、必ずしもきれいに剥離できるとは限らないためです。また、切除しすぎた皮膚は元に戻すことができず、皮膚移植などが必要となることがあります。

そのため、手術中に鏡を見ながら何度も目の開きや形態、皮膚の余りなどを確認しますが、悩んだときはわずかに控えめにしてください。実際には、目の開きは適正な範囲が決まっていますが、皮膚の余りや二重の幅で悩むことがありますので、悩んだ際はわずかに控えめにしてほしいのです。やり過ぎた結果を元に戻すことはできない(難しい)ため、眼瞼下垂の手術は「やり過ぎないこと」が重要であり、手術後のイメージがわずかに違ってしまったとしたら、その際にわずかなイメージの差に対して修正手術を受ける方が安全です。特に皮膚を取り過ぎないことは重要であり、皮膚は「少し余っている」くらいの方が自然な仕上がりになります。

他院で眼瞼下垂の手術を受けた方が修正を希望して当院を受診されますが、修正手術が困難な方にお会いすることがあります。修正が難しい理由は「初回手術でのやりすぎ(切開の位置が高すぎる、皮膚を取り過ぎている、目を開き過ぎている)」がほとんどです。それでも、ほとんどの方は満足できるレベルにまで修正できますが、控えめに行った手術を修正することに比べたら難易度もリスクも圧倒的に高くなります。

初回の眼瞼下垂の手術で厳密に「二重の幅」を決めることは難しい?

眼瞼下垂の手術を受ける際に「二重の幅はこれくらいがいい」と希望がある方も多いと思います。眼瞼下垂の手術は単に目が開けばいいというものではなく、仕上がりが社会生活に大きく影響するためご希望は何でもおっしゃってほしいと思います。しかし、眼瞼下垂の手術(特に挙筋腱膜前転術)で二重の幅を0.1mm単位で厳密に決めることは難しいということも知っていただきたいです(目の開きは調整できますし、後日の二重の幅の微調整はできますのでご安心ください)。

正常のまぶたに対する埋没法であれば、以下のように重瞼線の高さ(睫毛から二重の線までの距離、赤い矢印の距離)によって二重の幅がほぼ決まります。そのため、「二重の幅は重瞼線の高さで決まる」と思われがちです。

では、以下の画像をご覧ください。

この画像ではわざと目の開き具合を変えていますが、左の画像のように目の開きが小さいほど二重の幅が広くなる(目の開きが大きいほど二重の幅が狭くなる)ことがわかると思います。さらに以下の画像をご覧ください。

眼瞼下垂になると目を開きにくくなるため、多くの方はおでこの筋肉(前頭筋)で眉毛を上げることによって目を開いています。目の開きが同じ場合、右の画像のように眉毛を上げる(前頭筋の緊張が強くなる)ほど二重の幅が広くなります。さらに以下の画像をご覧ください。

眼瞼下垂の方の多くは皮膚の余りがありますが、右の画像のように皮膚を持ちあげる(皮膚の余りが少なくなる)ほど二重の幅が広くなることがわかります。つまり、皮膚を切除する量が大きくなるほど二重の幅は広くなります。結果として、眼瞼下垂の手術後の二重の幅は、皮膚を切開する位置(重瞼線の高さ)だけで決まるのではなく、目の開き具合、眉毛の高さ(前頭筋の緊張)、皮膚の余り(眉毛から皮膚を切開する位置までの距離)によっても左右されます。さらに、二重をどれだけ深く作るかによっても変わります

手術中にどれだけ微調整を行ったとしても、手術後に前頭筋の緊張がどの程度改善するか、どれだけ深い二重になるか、などは完全に予測することができず、結果として二重の幅を0.1mm単位で厳密に決めることは困難です。こうした予測できない因子によるリスクを最小限にするのが「良い眼瞼下垂の手術」です。改めて二重の幅を微調整することはできますので、初回の手術ではわずかに余分な皮膚を残す方が無難であり、わずかに二重の幅は狭めになる方がいいと考えます(皮膚を取り過ぎると元に戻すことはできないため、微調整をすることができなくなります)。実際に、まぶたの手術に慣れていない医師ほど一度で理想の仕上がりにしようという気持ちが強すぎて(リスクを理解していない)、結果的にやりすぎた仕上がり(二重の幅が広すぎる、皮膚を取りすぎる、目を開き過ぎている)になりがちです。

手術はやり直すことができないため慎重過ぎるくらいでちょうどよく、結局、眼瞼下垂の手術は「わずかに控えめ」が望ましい(予測できない因子に対するリスクヘッジ)ということになります。

当院の眼瞼下垂手術の特徴

1.どのような原因の眼瞼下垂も治療可能

当院は、頻度が高い腱膜性、皮膚性の眼瞼下垂のみではなく、先天性や外傷・顔面神経麻痺に伴う眼瞼下垂、他院手術後の修正などの難易度が高い眼瞼下垂の治療も行っています。大学病院や基幹病院で経験を積んだ専門医が診察しますので、最善の治療選択肢を提示します。

2.腫れや内出血を最小限にする工夫

手術後の腫れや皮下出血(内出血、青あざ)を最小限にするために、まぶた専用の極細の針と髪の毛より細い糸を使います。また、手術中はまぶたを冷却し、出血を最小限にすることによりダウンタイムを最小限にします。

3.拡大鏡による正確な操作

手術用の拡大鏡を使って手術を行います。手術部位を拡大して操作するため、裸眼で行うより正確な操作を行うことができます。手術用顕微鏡を用いる医療機関もありますが、顔全体や左右のバランスを確認しながら手術をすることも重要であるため当院では拡大鏡を採用しています(手術用顕微鏡を用いることもできますが、あえて採用していません)。

4.仕上がりに対する最大限の配慮

眼瞼下垂の治療の目的は単に目を開きやすくするだけではありません。患者さんの社会背景を考慮した上で、自然な仕上がりにすることが重要です。そのため、手術前によく話し合うだけではなく、手術中に鏡を見ながら何度も仕上がりについて確認します。まぶたには「見力」と「魅力」の2つの「みりょく」があり、2つの「みりょく」が最大限になるように仕上がりにはこだわっています

保険適用の手術を受ける方に -モニターご協力のお願い-

保険診療を主に行うクリニックでは、以下のような理由で情報を発信することが難しいことがあります。そのため、保険適用で眼瞼下垂の手術を受ける方にモニターのご協力をお願いしています。

・保険適用の場合、モニター募集ができない(保険適用で費用を下げて集患することは認められていない)ため、症例写真が少ない

・初回手術の保険適用の基準はある程度決まっているが、修正手術に対する保険適用の基準は定まっていない(眼瞼下垂はどのような名医が手術をしても修正手術が必要となる可能性はある)。そのため、おそらく修正手術は自由診療のクリニックで受ける方が多い。

・保険診療を行う医療機関のマーケティング不足

そのため、保険適用で眼瞼下垂の手術を受けた方でも、機能面、整容面ともに良好な結果が得られた方がたくさんいることはあまり知られていません。保険適用の手術を受けた方で、治療の経過を広く知ってもらうことに意義を感じてくださる方は、医師に「私の経過の写真を使ってもいいですよ」と言っていただけると、正しい情報を発信しやすくなります。

差し支えない範囲でご協力いただければ幸いです。

費用

※片側あたりの費用です。
※手術費用の他に、診察料、短期滞在手術等基本料(3割負担で約4,000円)などがかかります。

挙筋腱膜前転術

3割負担 約22,000円
1割負担 約7,200円

眉毛下皮膚切除術

3割負担 約18,000円
1割負担 約6,100円

前頭筋吊り上げ術

3割負担 約56,000円
1割負担 約19,000円

埋没法

両側 ※自由診療 110,000円

ヒアルロン酸【上眼瞼の陥凹】

両側 ※自由診療 77,000円

上眼瞼形成術(形態の改善を目的とした手術)

両側 ※自由診療 550,000円

症例PICK UP

症例1

術式:両側挙筋腱膜前転術

リスク:内出血、腫れ、感染、縫合不全、知覚低下、キズ跡、ケロイド、左右差、局所麻酔のアレルギー反応、下垂の低矯正または過矯正、多重瞼(予定外重瞼線)、下垂の再発、色素沈着、縫合糸の異物反応、修正手術の可能性

手術内容:両側ともに余剰皮膚が目立ち、上眼瞼皮膚によって睫毛根が見えない状態でした。また、MRD-1は2.0mmと狭く、前頭筋代償(眉毛の挙上)もありました。そのため、重瞼線を左右で合わせ、皮膚を最大幅で2mm切除しました。やや上眼瞼が厚い印象があったため眼窩脂肪とROOFの切除を行い、挙筋腱膜を瞼板に固定することで開瞼幅を調整しました。重瞼の深さを調整し、手術を終了しています。

費用:約50,000円(両側、3割負担の場合)

症例2

術式:右挙筋腱膜前転術

リスク:内出血、腫れ、感染、縫合不全、知覚低下、キズ跡、ケロイド、左右差、局所麻酔のアレルギー反応、下垂の低矯正または過矯正、多重瞼(予定外重瞼線)、下垂の再発、色素沈着、縫合糸の異物反応、修正手術の可能性

手術内容:右の先天性眼瞼下垂によって右のみMRD-1は0mmであり、前頭筋代償がありました。筋膜移植などによる前頭筋吊り上げ術も検討される状態でしたが、挙筋能があったため挙筋腱膜前転術を行う方針としました。

重瞼線を左右で合わせ、皮膚の切除は行いませんでした。挙筋腱膜を瞼板に固定することで開瞼幅を調整しました。重瞼の深さを調整し、手術を終了しています。

費用:約26,000円(片側、3割負担の場合)

症例3

術式:両側挙筋腱膜前転術

リスク:内出血、腫れ、感染、縫合不全、知覚低下、キズ跡、ケロイド、左右差、局所麻酔のアレルギー反応、下垂の低矯正または過矯正、多重瞼(予定外重瞼線)、下垂の再発、色素沈着、縫合糸の異物反応、修正手術の可能性

手術内容:両側の腱膜性+皮膚性眼瞼下垂によってMRD-1は右-1.0mm、左0mmであり、右のみ前頭筋代償がありました。左のみ余剰皮膚があるように見えますが、実際には右にも余剰皮膚があります(前頭筋代償と多重瞼によってマスクされています)。治療計画がやや難しい状態ですが、このような左右差があるときは術後も前頭筋代償が残存することが多く、修正の余地を残して控えめの皮膚切除を行う方針としました。

重瞼線を左右で合わせ、皮膚を最大幅で2mm切除しました。挙筋腱膜を瞼板に固定することで開瞼幅を合わせ、眼窩隔膜を反転させることで重瞼形成を行いました。

術前の予測通り右の前頭筋代償は残存していますが、開瞼幅やpretarsal show(見た目の重瞼幅)の左右差は小さく、十分な改善を認めました。

費用:約50,000円(両側、3割負担の場合)

症例4

術式:両側挙筋腱膜前転術

リスク:内出血、腫れ、感染、縫合不全、知覚低下、キズ跡、ケロイド、左右差、局所麻酔のアレルギー反応、下垂の低矯正または過矯正、多重瞼(予定外重瞼線)、下垂の再発、色素沈着、縫合糸の異物反応、修正手術の可能性

手術内容:両側の腱膜性+皮膚性眼瞼下垂によってMRD-1は右-1.5mm、左0mmでした。余剰皮膚も目立ちますが自然な仕上がりにすることが重要であるため、皮膚の切除幅は最大で2mmに留めました。挙筋腱膜を瞼板に固定して開瞼幅を調整し、重瞼の深さを調整しています。

費用:約50,000円(両側、3割負担の場合)

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