ガングリオン
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ガングリオン
ガングリオンとは、手首や指の関節付近にできることが多い良性の腫瘤(しこり)です。20~40代の女性に好発しますが、手に発生する腫瘤の中で最も多いものであり、珍しい病気ではありません。
関節包(関節を包む袋のようなもの)や腱鞘(腱を包む筒状のもの)に小さな穴や変性ができ、そこから関節液が少しずつ漏れ出し、圧の低い場所で風船のように腫瘤ができると考えられています。そのため、ガングリオンは粘稠度の高いゼリーのような内容物(関節液)を含んでいます。

手首の背側にできることが最も多いですが、手首の掌側、指の付け根などにできることもあります。1cm程度の大きさで気付くことが多く、大きくなると4cmほどになることもあります。やわらかいものからゴムボールのように硬いものまであります。
症状は何もないことがほとんどですが、神経を圧迫するとしびれ感や痛みが出現することがあります。また、関節付近にできると関節の動かしにくさや引っかかりを感じることもあります。
触診と超音波検査で診断できることがほとんどですが、典型的でないものや深部にあるものはCT検査やMRI検査を行います。
ガングリオンが悪性化することはありませんので、症状がないときは経過観察でも構いません。数年で半分程度は自然消退するとされています。
見た目が気になる方や侵襲の少ない治療を希望する方は病変を針で穿刺することで治療します(診断を確定するために穿刺することもあります)。ただし、粘稠度の高いゼリーのような内容物を吸引する必要があるため、太めの針(18Gという針)で穿刺する必要があり、穿刺時の痛みがあることが欠点です(痛みに弱い方は穿刺前に局所麻酔をします)。
穿刺したのみでは再発率が50~70%程度と高いことが問題ですが、数回繰り返すことで再発しなくなることがあります(下図はイメージであり、実際にはガングリオンが移動しないように左手でしっかり把持しながら穿刺します)。

しびれ感や痛みのあるもの、穿刺しても再発を繰り返すものなどは手術をします。腫瘤直上の皮膚を切開して、病変を切除します。ただし、ガングリオンは茎があり、茎は関節包や腱鞘に連続しています。茎の根元で切除しないと再発する可能性が高いため、茎の根元で関節包や腱鞘の一部を含めて切除することがあります。
最も再発率が低い治療法ですが、適切な手術を行ったとしても再発率は10~30%とそれなりに高いことが欠点です。

皮膚は浅いところから表皮、真皮、皮下組織に分けられますが、真皮にキズができると、キズを治すために炎症が起こり、その後に血管新生やコラーゲン産生などの創傷治癒が起こります。通常、こうした創傷治癒の過程で炎症は徐々に改善してきます。しかし、手術後のキズに感染、血腫、真皮に引っ張る力が加わるなどの刺激が加わり続けると炎症はいつまでも改善せず、血管新生やコラーゲン産生が過剰に生じます。その結果、肥厚性瘢痕やケロイドという赤く盛り上がったキズ跡になります。
そのため、手術後のキズをきれいに治すためには①キズをスムーズに治癒に導く、②キズを引っ張る力を予防する、③形成外科専門医の手術を受ける、の3点が重要です。

キズをスムーズに治癒に導くためには手術後のキズを清潔に保つこと、乾燥させないことが重要です。そのため、手術翌日よりキズをシャワーで優しく洗浄してください(ボディソープの泡で洗うイメージです)。その後、処方された軟膏をキズに塗布し、絆創膏などで覆ってください。ガーゼを使用する際は、ガーゼにキズがくっつかないように軟膏は多めに塗布してください。これを1日1~2回、抜糸まで行っていただきます。
もちろんこれらには例外はありますので、手術後に適切なケア方法を指示いたします。
抜糸したらキズは治ったと思う方もいますが、まだ創傷治癒は完成していません。抜糸後も創傷治癒は進んでいきますが、この過程でキズ(真皮)を引っ張る力が加わると、肥厚性瘢痕やケロイドが生じやすくなります。特に前胸部、上腕、肩甲骨部、上背部、下腹部などの皮膚を引っ張る力が強くかかりやすい部位では注意が必要です。

そのため、手術後は「キズを引っ張る力」を予防するためにアフターケアをしてください。具体的には創部の安静を守る(キズが引っ張られないようにくっつけておく)ためにテーピング(マイクロポア、アトファインなど)やシリコンジェルシート(ケロコートなど)を3か月間使用していただきます。これらは入浴中も貼りっぱなしでよく、マイクロポアは3日に1度、アトファインは5~7日に1度の交換、ケロコートは1日2回の塗布を目安としてください(もちろん汚れたり剥がれたりしたら貼りかえてください)。


さらに、手術後3ヵ月間はキズが引っ張られるような運動を控える(キズを動かさない)ことが理想です。しかし、運動を早めに開始したい方も多いと思います。手術後もできるだけ普段通りの生活を送ることも重要であるため、キズと生活のバランスを相談しながら運動の程度を決めていきます。
キズをきれいに治すためにはキズ(真皮)を引っ張る力を予防することが重要であり、アフターケアが必要なことを説明しました。しかし、手術操作によってもキズを引っ張る力を予防することができます。具体的には、真皮を引っ張る力が小さくなるように盛り上げて縫合をします。ときに下の画像のように真皮より深い部分(浅筋膜、深筋膜)を縫合することで真皮縫合を行う前に創縁(キズの端)がぴったりとくっついた状態にします(※ガングリオンの手術ではここまで盛り上げて縫合することはあまりありません)。
このようにキズをきれいに治す手術は形成外科が専門であり、キズ跡にまで配慮した治療を希望する方は形成外科専門医の手術を受けてください。当院で執刀する医師は、全員がこの縫合方法を習得しています。
穿刺のみの場合は治療後の制限はありません。
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これらは目安であるため、ご不安な方や早めに運動を始めたい方などは医師にご相談ください。
一般的なクリニックでは、初診、手術日、抜糸日、病理結果の説明と最低4回の通院が必要です。しかし、質の高い日帰り手術を行う体制を整えている当院は、初診時に手術を行い、抜糸日に病理結果の説明をしています。そのため、最低2回の通院になるため、医療費や通院の負担が最小限になります。ただし、大きいものや診断が難しいものは病理結果が出るまでに時間がかかるため、抜糸時に結果をお伝えできないことがあります。
どのような部位や大きさのガングリオンも治療いたします。ただし、深部の病変や重要な神経に近接している病変などは大学病院などに紹介しています。
当院ではiViz airという最新のワイヤレス超音波画像診断機を用いています。ガングリオンの大きさや深さを正確に診断することにより安全に治療を行うように努めています(触診で明らかに大きさや深さがわかる病変に対しては超音波検査は行っていません)。

30G針という極細の針を用いることで局所麻酔の痛みを最小限にしています。
皮膚を切開する方向、丁寧な操作、縫合方法に専門的な知識と技術で対応いたします。
真皮縫合、皮膚縫合という2層で皮膚を縫合することで目立ちにくいキズ跡になるような手術をしています。当院は日本形成外科学会専門医が院長をしており、当院の医師は形成外科的な縫合法を習得しています。「単に病変を切除するのみではなく、キズ跡にまで配慮してほしい」という方は当院にお越しください。
当院は皮膚・体表の手術を専門的に行っており、小さな手術から大学病院でのみ行っているような高難度の手術まで年間3,000件以上の手術を行っています。圧倒的な実績に基づき安全性の高い手術を提供しており、緊急搬送を要するような重篤な合併症はこれまで1例もありません。
| 穿刺のみ | 約240円(3割負担) 約80円(1割負担) |
| 手術(ガングリオン摘出術) | 約9,200円(3割負担) 約3,200円(1割負担) |
※手術費用の他に、診察料、病理検査料などがかかかります。
手術をご希望の方は、治療内容、リスク、費用などの説明後に手術を行いますので、「WEB予約」で「手術・レーザー治療」あるいは「皮膚腫瘍・皮下腫瘍当日治療」の枠をお取りください。診察のみ、あるいは穿刺をお受けになりたい方は「皮膚科診療」の枠をお取りください。