
タトゥー(いれずみ)
タトゥー(いれずみ)
タトゥー(tattoo)は、専用の針を用いて真皮内に色素を埋入して残った状態のことです。タトゥーといれずみ(刺青)は厳密に区別されているわけではありませんが、一般的にタトゥーはワンポイントかつ単一の色調であり、比較的真皮の浅い層までしか色素が埋入されていないものをいいます。その一方で、いれずみは複雑かつ広範囲な柄が入っており、色素を真皮の深い層まで埋入されているものをいいます。タトゥーをいったん入れたものの、ライフスタイルや価値観の変化などにより除去を希望される方は非常に多いです。
これまでタトゥーには治療限界がありましたが、ピコレーザーが開発されたことによって状況が大きく変わりました。従来のQスイッチレーザーは黒や青、紫などの色調にはある程度有効でしたが、赤や黄色には十分な効果がありませんでした(医学的に表現すると、タトゥーのインクの熱緩和時間はピコ秒単位であるため、ナノ秒であるQスイッチレーザーでは不十分でした)。
ピコレーザーを用いることで、Qスイッチレーザーよりも痛みやダウンタイムが軽減され、高い効果が得られるようになりました。ピコレーザーによって細かく砕かれた色素は免疫細胞であるマクロファージに貪食され、運び去られます(一般的にはこのような理屈になっていますが、十分に証明されていません)。これを数回繰り返すことで、タトゥーの色調を徐々に薄くすることができます。ただし、白色はピコレーザーを用いても十分な効果を認めないことや変色することが多く、現代医学でも治療が難しいです。
最新型のピコレーザーを用いたレーザー治療から手術まで、効果が認められているほとんどの治療を行っています。他院での治療で十分な効果を得られなかった方や治療を断られた方もお気軽にご相談にお越しください。
レーザー機器の発達により、現代ではレーザー照射が第一選択の治療法です。
ピコレーザーを用いることで痛みは軽減されていますが、麻酔をせずにレーザー照射をすることは困難です。また、ペンレステープやエムラクリームなどを用いた表面麻酔を用いても鎮痛効果は不十分です。そのため、治療前にタトゥーの範囲に針を用いた局所麻酔を行います。
タトゥーは1回で除去できることは少なく、通常3~10回程度のレーザー照射が必要です。それぞれの照射間隔は2ヶ月前後ですが、炎症後色素沈着や脱色素斑が生じているときは半年程度空けることもあります。
タトゥーは色素が注入されているだけではなく、タトゥーを入れる際の針によってすでに皮膚に瘢痕形成が起きています。そのため、色素を除去したとしても元の皮膚と完全に同じ状態まで改善させることは困難です。瘢痕が気になるときは色素を除去した後にフラクショナルレーザーなどで目立たせなくしていきます。
合併症:赤み、腫れ、水疱、出血、炎症後色素沈着、瘢痕、脱色素斑など
短期間で確実に除去したい方は手術が適用にあります。特に白色のタトゥーを確実に除去する方法は手術しかありません。
タトゥーを形成外科的な縫合を行うことにより目立ちにくいキズ跡に変える手術法です。単純切除術という名前がついていますが、単純な手術ではなく、キズ跡を最大限目立たせないようにするためには手術前の計画や手術手技において豊富な経験が必要です。一直線のキズ跡は目立ったり、拘縮の原因となることがありますので、あえて直線ではないキズ跡になるように縫合したり、Z形成術という方法を用いることもあります。
手術時間は30分~1.5時間程度です。
単純切除術は小範囲のタトゥーが対象であり、広範囲のものは連続(分割)切除術が必要です。
大きめのタトゥーを切除する際に、1回で全ての病変を切除しようとするとキズ跡が長くなります。また、創縁の緊張が強くなり、広がった(目立つ)キズ跡になるリスクが高くなります。そのため、2回(あるいは3回)に分割して切除することにより、キズ跡を小さく、目立たせないようにする手術法を連続(分割)切除術といいます。
1回目の手術では、タトゥーを最大限切除すること、かつキズ跡が(特に)長軸方向に広がらないように工夫して縫合します。ただし、この時点ではきれいなキズ跡になることはほとんど考慮していません(キズ跡のきれいさより広がらないことが優先)ので、キズ跡はあまり気にしないでください。
1回目の手術から最低でも6か月程度空けて、2回目の手術を行います。2回目の手術では、病変を全切除すること、かつキズ跡が最大限きれいになるように縫合します。つまり、目的に合わせて1回目と2回目の手術で縫合方法を変えています。
当院では、イタリアのQuanta社製の最新型ピコレーザーである「Discovery PICO PLUS(ディスカバリーピコプラス)」を採用しています(国内承認機)。ディスカバリーピコプラスは、532nm、694nm、1064nmという3波長を有し、532nmと1064nmの2波長はピコ秒(ピコレーザー)とナノ秒(Qスイッチレーザー)で発振することができ、532nm、694nm、1064nmの3波長はナノ秒で発振することができます。つまり、最新のピコレーザーに加え、従来のQスイッチレーザーの機能を備えた次世代型のレーザーです。
3波長を組み合わせることによって、従来のレーザーでは治療が難しかった薄いシミや多彩な色のタトゥーなども治療できるようになりました。また、他のピコレーザーと比較し、均一な照射を行うことが可能であり、高い治療効果と合併症のリスクを軽減することができます。
※保険適用外の自由診療になります。
※麻酔代を含めた費用です。
10cm²未満 | 22,000円 |
10~30cm² | 33,000円 |
30~50cm² | 55,000円 |
50~100cm² | 77,000円 |
100~200cm² | 99,000円 |
10cm²未満 | 110,000円 |
10~25cm² | 220,000円 |
25~100cm² | 330,000円 |
10cm²未満 | 110,000円 |
10~25cm² | 220,000円 |
25~100cm² | 330,000円 |