太田母斑
太田母斑
太田母斑は乳児期にできるものと、思春期以降にできるものの2種類があります。女性に多く、日本人の0.1%が発症しますが、あまり目立たないものを含めると発症頻度はもっと高いと考えられています。
真皮にメラニンが存在することにより発症しますが、その原因はよくわかっていません。
おでこ、目の周りや頬に青色の色素班が生じます。
三叉神経という神経の支配領域に出現することが特徴的です。通常は片側のみに出現しますが、まれに両側にできることがあります。
自然に軽快することはなく、レーザー照射が唯一の治療法になります。レーザー照射は痛みが伴うため、幼児期の治療には全身麻酔が必要となります。成人の方でも麻酔なしで治療を行うことは難しいため、色素斑がある範囲に麻酔クリームを塗布し、1時間ほどお待ちいただきます。また、まぶたの治療をする際には、コンタクトシェルを用いて眼球を保護します。
太田母斑に対するレーザー照射は保険適用であり、保険上は3か月ごとに照射することができます。しかし、色素沈着や色素脱失があるときはレーザー照射ができないため、皮膚の状態を見ながら、3~6か月ごとに治療を行います。太田母斑はレーザーへの反応が良く、3~5回程度の照射でほとんど方が治療を終了します。
レーザーを照射した後は痂疲(かさぶた)や色素沈着の影響で照射前より濃くなったと感じる時期があります。しかし、これは徐々に改善してきますので、日焼けをせず、日々スキンケアを行うことが重要です。
太田母斑はレーザーに対する反応が良好であるため、悩んでいる方はまず専門医に相談することをお勧めします。