ニキビ跡(赤み)|クリニックひいらぎ皮膚科形成外科|池尻大橋・渋谷・三軒茶屋

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ニキビ跡(赤み)

ニキビ跡(赤み)|クリニックひいらぎ皮膚科形成外科|池尻大橋・渋谷・三軒茶屋

ニキビ跡の分類

ニキビ跡は以下の4つに分類されます。

萎縮性瘢痕

陥凹したニキビ跡であり、クレーターと呼ばれることもあります。一般的にイメージされるニキビ跡のことです。

炎症後紅斑

炎症で毛細血管が拡張することによって生じる皮膚の赤みです。

肥厚性瘢痕・ケロイド

ニキビ跡が赤く盛り上がった状態です。フェイスラインや背中のニキビに起こりやすいことが特徴です。

炎症後色素沈着

ニキビの炎症でメラノサイトが活性化したことによって起こる茶色の色素斑です。

ニキビ跡の赤み(炎症後紅斑)とは

ニキビができた後に生じる赤みは、医学的に炎症後紅斑(PAE or PIE)と呼ばれます。

炎症後紅斑は、ニキビによる炎症や創傷治癒の過程によって毛細血管が拡張することするによって生じます。さらに、創傷治癒の過程で皮膚が一時的に薄くなることによって赤みが目立ちやすくなります

初期は鮮やかな赤みですが、時間経過ともに徐々に薄くなっていきます。ただし、炎症後紅斑が生じるほどの強い炎症が起こると、赤みが改善後も萎縮性瘢痕(クレーター)が残ることがあります。

治療法

軽度の炎症後紅斑は、半年~1年程度で自然軽快します。しかし、炎症後紅斑は皮膚に炎症が起こることによって生じたものであるため、新たな炎症が起こるといつまでも軽快しません。そのため、炎症後紅斑に対する最も重要な治療は「新たな炎症を起こさないこと(ニキビができない、ニキビができてもつぶさない、顔を擦らない、日焼けしない、保湿を行うなど)」です。特に、ニキビができにくい肌質を維持することが重要であり、ニキビを繰り返す方は保険診療で用いられる外用薬、あるいはイソトレチノイン(アクネトレント)を使用してください。

その一方で、炎症後紅斑は必ず自然軽快するものではなく、皮膚のターンオーバーの低下や不可逆的な血管拡張が生じることで症状が持続することがあります。そのため、半年~1年程度経過しても軽快しない方、あるいは早く赤みを軽快させたい方は治療を受けることをお勧めします

炎症後紅斑の治療はいずれも保険適用外の自由診療です。

 ➀イソトレチノイン

イソトレチノイン(アクネトレント)はニキビをできにくくする内服薬とイメージされることが多いのですが、抗炎症効果もあるため炎症後紅斑にも有効です。ただし、炎症後紅斑の改善を目的としたときは、ニキビの改善を目的とした量(0.51.0mg/kg/)より少なめの量(0.25mg/kg/)でいいと報告されています。

そのため、後述するVbeam IIとイソトレチノインの併用が最も治療効果が期待できます。ただし、費用や副作用、ダウンタイムなども考慮する必要があるため、治療効果が高いとしても全ての方にとって最善の治療であるとは限りません。

 ➁Vbeam II

単純性血管腫や毛細血管拡張症などの血管性病変に対して保険適用で用いられているレーザーであり、血管内のヘモグロビンに反応し、赤みの原因となっている毛細血管を閉塞させることで効果を現します。炎症後紅斑に対する第一選択のレーザーです。

13ヶ月ごとに照射を行い、35回程度が治療回数の目安です。少ない治療回数で高い治療効果が期待できますが、照射部位に紫斑が12週間ほど続くことがあります。

 ➂IPL

毛細血管のみではなくメラニンなどにも反応することに加え、皮膚のタイトニング効果も期待できます。1カ月ごとに510回が治療回数の目安です。

炎症後紅斑に対しVbeam IIIPLのどちらが優れているかに対する明確な結論はありません。しかし、毛細血管を閉塞させることを主目的としたVbeam IIの方が治療効果は高いと考えます。そのため、IPLは、Vbeam IIによる紫斑形成を避けたい方や炎症後紅斑と同時に皮膚のくすみ治療やタイトニングを行いたい方に適用となります。

 ④ポテンツァ

炎症後紅斑に対して日本ではあまり用いられていませんが、海外では抗炎症効果や皮膚の再構築効果を期待して使用されています。Vbeam IIIPLで十分な効果を得られなかったときの選択肢という位置付けです。

 ⑤ケミカルピーリング

皮膚のターンオーバーを促進することで、炎症性紅斑を改善させます。ダウンタイムが短いため手軽に試しやすいものですが、治療効果はVbeam IIIPLより劣ります。しかし、ニキビの予防や皮膚の質感改善も期待できることがメリットであり、時間をかけてゆっくり治療してきたい方に適用となります。

2週間~1カ月に1度のペースで行います。

 ⑥内服薬

トランサミン、シナール、ユベラなどが用いられますが、効果は限定的であり、当院では希望する方にのみ内服してもらう方針としています。

Vビーム Ⅱの原理と紫斑について

Vビーム Ⅱは「赤みを取るレーザー」と思われがちですが、これは正確ではありません。Vビーム Ⅱのレーザー光は血管内のヘモグロビンに吸収され、光エネルギーが熱エネルギーに変換し、熱が発生することで血管を閉塞させます。つまり、Vビーム Ⅱは赤いものに反応しているわけではなく、血管内のヘモグロビンに反応して血管を破壊することで効果を現します(実際、Vビーム Ⅱは赤色の刺青(タトゥー)には効果はありません)

そのため、ヘモグロビンが少ないごく細い血管や、血管を閉塞させるほど十分な熱を発生させることができない静脈瘤のような太い血管には効果が限定的です。

Vビーム Ⅱはパルス色素レーザーと呼ばれるレーザーの一種ですが、初期のパルス色素レーザーより効果、安全性とも格段に高くなっています。特に初期のパルス色素レーザーと比較して大きく改善したのは、サブパルスという方法が開発されたことによります。初期のレーザーでは、1回の照射で1発のパルスのみ(単パルス)であったため、0.45m秒という短い照射時間幅(パルス幅)しか用いることはできませんでした。短いパルス幅では、細い血管病変の治療はできるのですが、太い血管病変には効果がありません。そのため、初期の色素レーザーは限られた病変にしか効果がありませんでした。

しかし、複数のパルスを一定の間隔で連続で発振することで、疑似的に長いパルスとして出力するサブパルスが開発されたことによりパルス幅が0.4540m秒まで調整することができるようになりました。詳細な機序は割愛しますが、このことによりこれまでは治療できなかったさまざまな血管病変の治療を行うことができるようになりました。

Vビーム Ⅱの有名な合併症として、紫斑があります。紫斑は、血管が破壊された結果、血管から血液が漏出することによって生じます。そのため、血管が破壊されたことを示しているため、紫斑が生じることは必ずしも悪いことではありません。実際に単純性血管腫という疾患では紫斑が出るように照射をしますし、本来は炎症後紅斑も紫斑が出るように照射をした方が治療効果は高いと考えます。しかし、整容的な要素も大きいこうした疾患ではダウンタイムを気にされる方が多く、あえて紫斑になりにくい設定で照射をすることがあります。

効果、ダウンタイムなどを考慮して、レーザーの設定を細かく調整できるのもVビーム Ⅱの特徴です。

治療費

イソトレチノイン(アクネトレント)(30日分)

10mg 7,700円
20mg 13,200円

Vbeam II

全顔 1回 16,500円

ケミカルピーリング

全顔 8,800円
8,800円
上腕(片側あたり) 8,800円
胸部(デコルテ) 8,800円
背中 16,500円

症例PICK UP

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