
イソトレチノイン
イソトレチノイン
イソトレチノインは、皮脂腺の退縮、抗菌作用、抗炎症作用を有する内服薬です。当院ではアクネトレントを採用していますが、アキュテイン、ロアキュタン、イソトロインなどの商品名でも販売されています(効果は全て同じです)。日本では保険適用ではありませんが、海外では重症ニキビの最終治療選択肢として広く使われています。また、強力な皮脂抑制作用があるため、毛穴の治療としても用いられます。
イソトレチノインは1日1回食後に内服してもらいます。朝食後、昼食後、夕食後のいつでも構いませんが、極力近い時間帯で内服するようにしてください。また、内服を忘れた際は、当日中であればそのまま通常量を内服してください。翌日に気付いた場合は、その日に通常量を内服してください(ご自身の判断で通常の倍量を内服しないようにしてください)。
イソトレチノインは「体重1kgあたりの積算量が120mg以上」を目安に内服します。例えば、体重50kgの方は120mg/kg × 50kg = 6000mgの積算量が必要であるため、20mgを300日、あるいは30mgを200日内服することを目安にします。ただし、日本人は120mg/kgより少なくてもいいとする意見もありますし、120mg/kg以上内服することで効果が持続する方もいます。イソトレチノインはこのように内服量と効果に個人差が大きいため、皮膚の状態を診察しながら内服量を決定していきます。
イソトレチノインは非常に高い効果が期待できる内服薬ですが、以下のような副作用があります。そのため、医師の管理下で内服を行う必要があります。
・胎児に対する催奇形性:女性はイソトレチノイン内服開始前1カ月、内服終了後6カ月間は避妊が必要です。また、内服中は授乳もできません。男性はイソトレチノイン内服開始前1カ月、内服終了後1カ月間は避妊が必要です。
・肝機能障害、コレステロール高値、中性脂肪高値:定期的な採血が必要です
・皮膚や口唇の乾燥:ほぼ必ず起こります。内服中は乾燥が持続しますが、内服開始後1カ月頃よりやや改善してくることもあります。
・鼻出血
・好転反応:内服開始後1カ月程度はニキビが一時的に悪化することがあります。ただし、実際には頻度は高くありません。
・髪が細くなる、筋肉の痛み、関節の痛み、頭痛、疲れ
・その他(吐気・嘔吐、下痢、炎症性腸疾患、横紋筋融解症、うつなどの精神疾患、薬疹)
・内服中、および内服終了後6カ月間は献血ができません。
・妊娠中や妊娠を予定している方、授乳中の方
・12歳以下の方:骨の発達抑制の可能性があるため(18歳未満の男性、15歳未満の女性も原則として内服を控えていただいています)。
・大豆アレルギーがある方:薬に大豆油が含まれているため
・肝臓の病気や脂質異常症(高脂血症)がある方
・テトラサイクリン系の抗生物質(ミノマイシン、ビブラマイシンなど)を内服している方
・ビタミンA過敏症の方
イソトレチノインを1クール内服した後にいったん内服を終了しますが、30%ほどの方にニキビが再発するとされています。もちろんニキビはできにくくなっていますが、再発を繰り返す方は保険適用の外用薬を再開する、イソトレチノインの2クール目を開始する、イソトレチノイン10mgの内服を継続するなどが選択肢となります。適宜相談しながら治療法を決めていきます。
10mg(30日分) |
7,700円 |
20mg(30日分) |
13,200円 |