肝斑|クリニックひいらぎ皮膚科形成外科|池尻大橋・渋谷・三軒茶屋

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肝斑

肝斑|クリニックひいらぎ皮膚科形成外科|池尻大橋・渋谷・三軒茶屋

肝斑(melasma)20~50代の女性に好発するシミの一種です(まれですが男性にも生じます)

肝斑は非常に不思議なシミであり、発症原因は十分に解明されていませんが、メイクや洗顔時の物理的刺激や紫外線などの外的刺激による慢性炎症によって表皮基底層にあるメラノサイトが活性化した結果、表皮(ときに真皮)にメラニンが沈着し、肝斑となります。さらに、妊娠中や経口避妊薬の内服時に悪化することがあることから女性ホルモンとの関連も考えられています。

つまり、肝斑の治療を考える上で表皮や真皮のメラニンを除去することは重要ですが、同時に表皮基底層のメラノサイトが活性化しないように日常的なケアを行うことがより重要になります。

症状

左右対称性に、輪郭がはっきりしない地図上の色素斑が主に頬部に生じます。特に化粧を落とす際などに最もこすることが多く、紫外線が当たりやすい頬骨の突出したところ(頬骨隆起部)に好発します。頬部以外にも前額部(おでこ)、こめかみ、下眼瞼(下まぶた)などに生じます。

紫外線が強くなる春から夏にかけて色調が濃くなり、秋から冬にかけて薄くなります。

重症度評価

肝斑の重症度を評価する指標としてMASI(melisma area and severity index)というものがあります。

MASIとは、肝斑の「範囲」「色調の濃さ」「均一性(正常皮膚と肝斑の色調の差)」3項目を、前額、右頬、左頬、おとがい(下顎正中)4領域について評価するものです。皮膚の面積を前額30%、右頬30%、左頬30%、おとがい10%とし、それぞれの範囲を6段階、色調の濃さを4段階、均一性を4段階で評価し、以下の計算式で重症度を評価します。満点だと48点になります。

MASI = 0.3×範囲×(色調の濃さ+均一性) 【前額】 + 0.3×範囲×(色調の濃さ+均一性) 【右頬】 + 0.3×範囲×(色調の濃さ+均一性) 【左頬】 + 0.1×範囲×(色調の濃さ+均一性) 【おとがい】

治療法

肝斑はシミの中で唯一決定的な治療法が確立しておらず、最も治療が難しいものです。しかし、治療が難しいからと言って何もしないのであれば、肝斑に悩む方の力になることができません。当院は専門医が所属する医療機関として、医学的根拠に基づき期待される効果とリスクを考慮した上で積極的な治療を行っています。 

前述のように肝斑の治療方針は以下の2つのアプローチが必須です。

・表皮基底層のメラノサイトの活性化を抑制する:生活習慣の改善、内服薬、外用薬、ケアシスS、レーザートーニング()、水光注射

・表皮や真皮のメラニンを除去する:レーザートーニング、外用薬、水光注射

 

➀生活習慣の改善

肝斑は顔のこすりすぎや紫外線などの外的刺激による炎症によってメラノサイトが活性化することが大きく関与しています。そのため、「洗顔時に、手ではなく泡で洗う意識を持つ」「日中は日焼け止めや帽子、サングラスを徹底する」などの生活の工夫が必須です。

繰り返しますが、肝斑の治療で最も重要なことは外的刺激を最小限にしてメラノサイトの活性化を抑制することです。

 ②内服薬

トラネキサム酸(トランサミン錠)の内服を行います。トラネキサム酸は抗炎症作用を有しており、メラノサイトの活性化を抑制することにより肝斑を改善します。生活習慣の改善とともにトラネキサム酸の内服を行えば2~3ヵ月ほどで効果を実感できることが多いです。

ただし、トラネキサム酸は止血作用があるため、狭心症、脳梗塞、深部静脈血栓症、閉塞性動脈硬化症、ピルの内服を行っている方は内服することはできません。

トラネキサム酸の内服量については一定の見解はありませんが、当院では250mgカプセルを1日2回内服してもらっています(一般的には1日あたり5001500mg内服することが多いようです)

トラネキサム酸に加えてビタミンC(シナール錠)の内服も広く行われていますが、ビタミンCが肝斑に与える直接的な影響については不明であり、効果は限定的であると考えられています。ビタミンCは肝斑の治療というより、美肌になるための内服薬という位置付けです。 

③外用薬

メラニンの産生を抑制するハイドロキノンを用いることで、メラノサイトによる新たなメラニン産生を抑制します。新たなメラニン産生を抑制することにより肝斑は薄くなりますが、肝斑の原因は慢性炎症によるメラノサイトの活性化であるため根本的な原因を治療しているわけではありません。そのため、ハイドロキノンの外用中は肝斑が薄くなることを実感できますが、使用を中止すると再燃することがあります。

当院では、ハイドロキノン単独ではなく、ナビジョンDRというハイドロキノンとトランサミンを含んだスキンケア用品をお勧めしています。 

④ケアシスS

ケアシスSとは、電気の力を利用して細胞膜に一時的に通り道を作り、導入成分を真皮層まで浸透させるエレクトロポレーション技術と皮膚を冷却するクライオ技術を組み合わせた機器です。Taプラスというトラネキサム酸、ビタミンC、ヒアルロン酸を含む薬剤を導入することでメラノサイトの活性化を抑制しつつ、美肌に導きます。

ケアシスSはダウンタイムや合併症がほとんどない安全な施術なので、気軽にお受けになることができる治療法です。 

⑤レーザートーニング

これまで肝斑に対してレーザーを照射してはいけないとされてきました。現在でも通常の方法(スポット照射と同様の方法)でレーザーを照射すると肝斑は悪化するのですが、現在では「レーザートーニング」という照射方法が行われています。

レーザートーニングとは、QスイッチYAGレーザーを用い、1064nmの波長かつ低出力で、顔全体にレーザーを照射する方法です。1度の照射で軽快することは少なく、24週間ごとに照射をしますが、多くの方は35回目から効果を実感し始めます。

レーザートーニングは痛みも少なく、特別なアフターケアも必要ないため急速に広がった治療法です。作用機序として表皮や真皮のメラニンを破壊するだけでなく、皮膚のターンオーバー促進、メラノサイトの機能や活動性を低下させることが報告されています。確かに表皮や真皮のメラニンを破壊することで肝斑が薄くなる効果はあります。ただし、低出力のレーザー照射が本当にメラノサイトの機能や活動性の低下を引き起こすのかについては議論の余地があります。さらに、メラノサイトの機能や活動性を低下させるということはメラニンが産生されなくなるということです。そのため、まれではありますが色素脱失(白斑)が生じることが知られています

肝斑に対するレーザートーニングによる治療は医師の間でも賛否があります。早期の色素脱失は時間経過とともに改善する可能性が高いのですが、重症な色素脱失の場合、元には戻らないことがあります。そのため、当院では医療者による定期的な皮膚の状態の観察を行い色素脱失の早期発見に取り組んでおり、色素脱失が生じた場合はレーザートーニングを中止する方針としています。 

⑥水光注射

水光注射とは、34Gという極細の針が9本ついた自動注射器で薬剤を注入する治療法です。近年、スキンブースターといわれる皮膚の再構築を促す薬剤を使用することで肝斑を治療できる可能性が示唆されています。

特にジュベルックは抗炎症作用によるメラノサイトの活性化抑制、線維芽細胞の活性化によって真皮を再構築しメラニンを除去することによって肝斑を改善させることが海外で報告されています。ただし、肝斑に対するジュベルックの効果に関しては十分な評価は行われておらず、日本国内ではほとんど行われていません。

費用

内服薬(30日分)

トラネキサム酸(30日分)

3,300円

シナール

2,200円

内服薬セット(トラネキサム酸、シナール、ユベラ)

5,500円

ナビジョンDR【スキンケア用品】

TAホワイトローションn(薬用美白化粧水) 150mL 7,150円
TAホワイトエマルジョンⅡn(薬用美白乳液) 120mL 9,350円
TAクリームAAn(薬用美白クリーム) 30g 17,600円
TAホワイトプロテクトUV(日焼け止め乳液) 30mL 4,400円
TAマイルドプロテクトUV(日焼け止め乳液) 30mL 3,960円
BBプロテクトUV(日焼け止めクリーム) 25g 3,520円

ケアシスS

トラネキサム酸+ビタミンC 6,600円
トラネキサム酸+ビタミンC(他施術と併用の場合) 5,500円
ペップビュープラス 8,800円

ペップビュープラス(他施術と併用の場合)

6,600円

Taプラス

8,800円

Taプラス(他施術と併用の場合)

6,600円

レーザートーニング

全顔 1回 11,000円
5回 44,000円

水光注射(ダーマシャインプロ) (麻酔代込)

トラネキサム酸+ビタミンC

全顔 1回 27,500円
3回 68,750円

BENEV、ピンクグロウ、ボトックス、スノーフラワーブルーム

全顔 1回 30,000円
3回 75,000円

ジュベルック、ミラクルH

全顔 1回 35,000円
3回 87,500円

リジュランi、リジュランHB

全顔 1回 42,000円
3回 105,000円

プルリアルデンシファイ

全顔 1回 68,000円
3回 170,000円

症例PICK UP

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