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立ち耳とは、耳が立ったように突出し、耳が正面を向いているように見える状態のことです。耳の先天異常の中では頻度が高く、5%程度の方に見られます。多くの方は両耳に生じますが、片耳にのみ生じることもあります。
耳には対耳輪というY字型の折れ曲がりがありますが(対耳輪上脚、対耳輪下脚といいます)、立ち耳の方はこの対耳輪(特に対耳輪上脚)が生まれつき未形成、あるいは十分な形成がありません。そのため、この対耳輪上脚の部分での折れ曲がりが生じず、耳が立っているように見えます。ただし、この形成の程度には個人差があり、対耳輪上脚が若干浅い程度の方から全く折れ曲がりがない方までいます。

立ち耳の明確な定義はありませんが、側頭部と耳の角度(cephalo-auricular angle)が40度以上を立ち耳とすることが多いです(平均的にはcephalo-auricular angleは25~30度程度です)。

眼鏡をかけにくい、マスクが取れやすいなどの日常生活の制限が生じることがあります。また、耳が大きく目立つことや顔が大きく見えることを気にされる方もいます。日本ではこうした症状をあまり気にされない方も多いですが、海外では好まれないことも多く、積極的に治療が行われています。
生後早期から1歳頃までであれば矯正治療を行うこともできますが、赤ちゃんの耳の先天異常として認識されにくく、実際に医療機関を受診する方は多くありません。そのため、立ち耳の治療は基本的に手術であり、日帰りかつ局所麻酔で治療を受けることができます。

手術は、まず耳の裏側の皮膚を切除し、耳の裏側から対耳輪の軟骨を確認します。そして、軟骨に割(かつ)を入れた後に折り曲げるように縫合し、対耳輪を形成します。ほとんどの方は対耳輪上脚のみの形成(下図の青矢印)で十分ですが、ときに対耳輪の基部(下図の黒矢印)から軟骨を形成をすることもあります。軟骨形成をする範囲は耳介の状態、希望などを総合的に判断して決定し、手術中に座位でお互いに形態を確認します。耳の裏側を切開するためキズ跡が問題となることはまずありません。手術後はボルスター固定という後戻りを防ぐためのガーゼ固定を行います(固定の位置、方法は立ち耳の状態によって若干変わります)。

手術時間は片側で60分、両側で120分程度です。一見単純かつ簡単そうな手術に見えると思いますが、耳を自然な形で寝かせることや対耳輪を強調し過ぎない形態にすること、後戻りを予防するための固定などは難しく、形成外科専門医が所属する医療機関を受診するようにしてください。
手術翌日から洗髪を含めてシャワー浴は可能です。
手術後2週間でボルスター固定を外し、抜糸をしますので、以降は日常生活の制限はありません。
・後戻り:徐々に元の形態に戻ることがあります。ボルスター固定で後戻りを予防しますが、完全に予防することはできません。
・左右差:左右近い状態になるように手術中に調整をしますが、ももとも耳介は左右非対称であり、完全に左右対称にすることは不可能です。
・軟骨の硬結:折り曲げた軟骨は必ず硬くなります。1年ほどで徐々にやわらかくなりますが、正常軟骨より硬い印象は必ず残ります。
・その他:腫れ、内出血、感染、血腫、皮膚壊死、縫合不全、肥厚性瘢痕・ケロイド、縫合糸のアレルギー反応、修正手術の可能性など
※手術費用の他に、診察料などがかかかります。
※片側あたりの費用です
| 立ち耳形成術 | 約57,700円(3割負担) 約19,200円(1割負担) |

術式:立ち耳形成術(Luckett変法)
治療回数:1回
リスク:感染、血腫、皮膚壊死、術後出血、創離開、肥厚性瘢痕・ケロイド、左右差、後戻り、耳の寝かせすぎ、など
費用:約57,700円(片側、3割負担の場合)

術式:立ち耳形成術(Luckett変法)
治療回数:1回
リスク:感染、血腫、皮膚壊死、術後出血、創離開、肥厚性瘢痕・ケロイド、左右差、後戻り、耳の寝かせすぎ、など
費用:約57,700円(片側、3割負担の場合)
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