リストカット跡|クリニックひいらぎ皮膚科形成外科|池尻大橋・渋谷・三軒茶屋

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リストカット跡

リストカット跡|クリニックひいらぎ皮膚科形成外科|池尻大橋・渋谷・三軒茶屋

リストカット跡

リストカットは14人に1人程度の方が行うとする報告もあり、頻度が少ないものではありません。しかし、リストカット跡は自然に消えることはなく、社会生活を送る上で不利益を感じることもあります。通常はリストカットを行うときに将来のことまで考えが及ぶことはありませんので、後になってから消したい、目立たなくしたいと思うのは当然です。社会生活を支障なく送ることができるように、当院では積極的な治療に取り組んでいます。

残念ながら現代医学でもリストカット跡を完全になくすことはできません。しかし、キズ跡を目立たなくすることや、キズ跡の形を変えることでリストカットっぽさをなくすことは可能です。

当院は専門医が所属する医療機関として、現代医学でできる最大限のことを提供しています。

治療法

リストカットのキズ跡は太いものから細いもの、隆起しているものから陥凹しているものまでさまざまなものがあります。しかし、どのようなキズ跡でも成熟するまで時間がかかるため、最後のリストカットから少なくとも1年間経過してから手術を行います 

リストカット跡の治療法は主にレーザー(フラクショナルレーザー)と手術(単純切除術、連続切除術、エキスパンダーを用いた切除術)の2種類です。当院では戻し植皮術は行っていません。

➀フラクショナルレーザー

フラクショナルレーザーは、皮膚表面にごく小さな点状の穴を多数あけ、そこから皮膚の再構築を期待するレーザーです。施術前に麻酔クリームを塗布しますので、痛みはそれほどありません。当院はルートロニック社のeCO2 Evolution(エコツーエボリューション)を用いており、レーザー照射径・エネルギー・照射密度などを最適化しながら治療を行います。

太いリストカット跡はレーザーによる治療効果が劣るため、細いリストカット跡が広範囲にある方(範囲が広すぎて手術が難しい方)や手術に抵抗感がある方に向いています。

➁単純切除術

太いリストカット跡を形成外科的な縫合を行うことにより細くする手術法です。単純切除術という名前がついていますが、単純な手術ではなく、キズ跡を最大限目立たせないようにするためには手術前の計画や手術手技において豊富な経験が必要です。一直線のキズ跡は目立ったり、拘縮の原因となることがありますので、あえて直線ではないキズ跡になるように縫合したり、Z形成術という方法を用いることもあります。

手術時間は30分~1.5時間程度です。

単純切除術は小範囲のリストカット跡が対象であり、広範囲のものは連続(分割)切除術やエキスパンダーを用いた切除術が必要です。 

単純切除術の適応

・太いキズ跡を細くしたい方

・キズ跡の形を変えたい方(横方向のキズ跡を縦方向に変えたいなど)

起こりうる合併症

腫れ、出血・血腫、疼痛、創離開、ひきつれ感、前腕・上腕の変形、感染、リストカット跡の残存、肥厚性瘢痕・ケロイド、縫合糸のアレルギー反応、局所麻酔薬のアレルギー反応・アナフィラキシーショック

 

➂連続(分割)切除術

大きめのリストカット跡を切除する際に、1回で全ての病変を切除しようとすると手術瘢痕(キズ跡)が長くなります。また、創縁の緊張が強くなり、広がった(目立つ)キズ跡になるリスクが高くなります。そのため、2(あるいは3)に分割して切除することにより、キズ跡を小さく、目立たせないようにする手術法を連続(分割)切除術といいます。

1回目の手術では、リストカット跡を最大限切除すること、かつキズ跡が(特に)長軸方向に広がらないように工夫して縫合します。ただし、この時点ではきれいなキズ跡になることはほとんど考慮していません(キズ跡のきれいさより広がらないことが優先)ので、キズ跡はあまり気にしないでください。

1回目の手術から最低でも6か月程度空けて、2回目の手術を行います。2回目の手術では、病変を全切除すること、かつキズ跡が最大限きれいになるように縫合します。つまり、目的に合わせて1回目と2回目の手術で縫合方法を変えています

ただし、皮膚を切除することができる範囲には限界があり、連続切除術をお受けになられたとしても必ずしもリストカット跡を全て切除できるわけではありません(特に前腕の広範囲にリストカット跡がある場合、リストカット跡が一部残存することがあります。)。

 連続切除術の適応

・やや大きめのリストカット跡を異なる形のキズ跡にすることで目立たせなくしたい方

起こりうる合併症

腫れ、出血・血腫、疼痛、創離開、ひきつれ感、前腕・上腕の変形、感染、リストカット跡の残存、肥厚性瘢痕・ケロイド、縫合糸のアレルギー反応、局所麻酔薬のアレルギー反応・アナフィラキシーショック

④エキスパンダーを用いた切除術

手術は少なくとも2度必要ですが、どれほど時間や手間がかかっても最大限の治療効果を得たい方に向いている術式です。エキスパンダーとは乳がん切除後の乳房再建などでも用いられる皮膚を伸展する医療機器のことです。

1度目の手術で、リストカット跡に隣接する皮膚(リストカット跡がない部位)の筋膜上にエキスパンダーを挿入します。1度目の手術後2週間頃から、12週間ごとに挿入したエキスパンダーに生理食塩水を注入し、徐々に拡張していきます。リストカット跡がない部分の皮膚を十分に伸展することができるまで、510回ほど生理食塩水を注入します。

その後、2回目の手術でリストカット跡がある皮膚を切除し、伸展した皮膚で被覆します。手術後1週間はギプス固定を行います。手術時間は1度目、2度目とも1.52時間程度です。

患者さん、医療者の両方にとって治療に要する時間や手間は圧倒的に大きいですが、ご自身の正常な皮膚を用いるため、最終的な結果は削皮術や戻し植皮術より圧倒的に優れていると考えます。広範囲のリストカット跡に対して有効な治療法ですが、リストカット跡がない部分の皮膚を伸展させる必要があるため、うでの背側にも腹側にもリストカット跡がある方は適応になりません。リストカット跡がない部分の皮膚の範囲が少ない方は、同様の手術を2回以上行う必要があります。

この治療法は特殊なものではなく、日本形成外科学会誌などでも報告されている方法です。他のクリニックではほとんど行われていない治療法ですが、手術手技は確立されていますのでご安心下さい。

エキスパンダーを用いた切除術の適応

・どれほど時間や手間がかかっても最大限の治療効果を得たい方

起こりうる合併症

感染、出血、疼痛、肥厚性瘢痕、エキスパンダーの感染・破損・露出・意図しない移動

※エキスパンダー挿入中はMRIを撮影することはできません。

フラクショナルレーザーと手術のどちらを選択すればいいのか?

リストカット跡にはさまざまな状態があり、個人差が大きいため、画一的な治療法というのはありません。そのため、キズ跡の太さ、範囲、部位、皮膚の伸展性などによってお勧めする治療法が変わります

手術適用があり手術を希望される方は手術、それ以外の方はフラクショナルレーザーを選択することが原則です。しかし、実際にはほとんどの場合、相談をしながら治療方針を決定します。

●フラクショナルレーザーを勧める(手術を勧めにくい)リストカット跡

・リストカット跡が細いもの:フラクショナルレーザーの効果が期待できる

・長いリストカット跡が多いもの:手術のデザインに自由度が少なくなるため手術の難易度が高くなる

・広範囲にリストカット跡があるもの:全切除が不可能であり手術をしても部分的にリストカット跡が残る

●手術を勧めるリストカット跡

13か所程度のもの(リストカット跡の太さは問わない):太いリストカット跡を細くすることはできることが多い

・上腕のもの:上腕は前腕より皮膚の伸展性がいいためリストカット跡を切除しやすい

・小範囲のもの:全切除できることが多い

費用

※保険適用外の自由診療になります。

※麻酔代を含めた費用です。

フラクショナルレーザー

10cm²未満

1回

11,000円

5回

44,000円

10~25cm² 1回 22,000円
5回 88,000円
25~50cm² 1回 44,000円
5回 176,000円

単純切除術

10cm²未満 110,000円
10~25cm² 220,000円
25~50cm² 440,000円
50~100cm² 880,000円

連続切除術(1回あたり)

10cm²未満 110,000円
10~25cm² 220,000円
25~50cm² 440,000円
50~100cm² 880,000円

エキスパンダーによる切除術

1回目(エキスパンダーの挿入) 660,000円
2回目(エキスパンダーの抜去、リストカット跡の切除) 440,000円

手術モニターを募集しています。
写真掲載はリストカット跡部分のみとし、個人情報に配慮しますのでご安心ください。
ただし、診察の結果、モニターになることができないこともありますのでご了承ください。

症例PICK UP

症例1

術式:単純切除術

リスク:内出血、腫れ、感染、縫合不全、知覚低下、キズ跡、ケロイド、前腕の変形、局所麻酔のアレルギー反応、色素沈着、縫合糸の異物反応、修正手術の可能性

手術内容:

①デザインをします。

②目立つ瘢痕を切除しました。

③深筋膜という組織の上で剥離を行い、創部の端からはみ出した脂肪組織を切除します。この操作を行うことで、縫合を行いやすくなります。この手術で最も重要な操作です。

④浅筋膜を縫合します。真皮縫合を行う前のこの時点で創縁が寄っており、真皮にかかる張力が最小限となることで手術瘢痕が目立ちにくくなります。

⑤丁寧に真皮縫合、皮膚縫合を行い、手術終了です。

費用:110,000円(自由診療)

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