伝染性膿痂疹(とびひ)
伝染性膿痂疹(とびひ)
とびひは、医学的には「伝染性膿痂疹」といい、黄色ブドウ球菌やレンサ球菌などの細菌が皮膚に感染して発症します。
虫刺されや湿疹などをかきむしることで起こることがあります。特にアトピー性皮膚炎の方は皮膚のバリア機能が低下しており、とびひになりやすいため注意が必要です。
発熱があるときや病変が広範囲の場合を除き、とびひになったとしても病変をきちんとガーゼなどで覆うことで登園や登校は可能です。ただし、完全に治るまでプールや水泳は控えて下さい。
主に顔や手足にかゆみを伴う水疱ができ、他の場所に広がっていきます。水疱が広がる様子が、火事の火の粉が広がることに似ているため「とびひ」と呼ばれています。特にかきむしることで急に症状が悪化することがあります。
水疱ができた部分から黄色の液が出てくることがありますが、徐々にかさぶたになっていきます。
とびひは感染症であるため、抗生物質の内服と外用薬が治療の基本です。
かきむしることによって他の場所に広がるのを防ぐため、抗ヒスタミン薬などのかゆみを抑える内服薬を使うことがあります。それでもかゆみが強いときは短期間のみステロイド外用薬を使うことがあります。「細菌がついているのにステロイドを使って大丈夫?」と思う方がいるかもしれませんが、とびひの治療ではかきむしらないことが重要です。ステロイド外用薬は炎症を軽快させ、かゆみを改善させる作用があります。1週間以内などの短期間であればとびひが悪化することはまずありませんので、ご安心ください。
とびひがある部分は泡立てた石鹸で優しく洗い、シャワーで洗い流して皮膚を清潔に保つことも重要です。発熱などの全身症状がない限りシャワー浴をすることは問題ありません。ただし、患者さんとご家族は、タオルを共有しないようにしてください。