腋臭症・腋窩多汗症|クリニックひいらぎ皮膚科形成外科|池尻大橋・渋谷・三軒茶屋

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腋臭症・腋窩多汗症

腋臭症・腋窩多汗症|クリニックひいらぎ皮膚科形成外科|池尻大橋・渋谷・三軒茶屋

「腋臭症(わきが)」と「腋窩多汗症(わき汗)」は混同されることもありますが、正確には異なる疾患です。腋臭症はわきのにおいが気になること、腋窩多汗症はわき汗の量が多いことが主な症状です。ともに大人が悩むイメージがある病気ですが、大人だけではなく子供にも発症します。

わきにはエクリン汗腺とアポクリン汗腺という2種類の汗腺があります。エクリン汗腺から出る汗はさらさらしており、アポクリン汗腺から出る汗はべとついているという特徴があります。腋臭症のにおいはアポクリン汗腺から分泌された汗が細菌によって分解されることによって生じます。そのため、腋臭症は主にアポクリン汗腺、腋窩多汗症は主にエクリン汗腺が原因ですが、両疾患が混在していることも珍しくありません(わき汗が多い方はにおいも強い傾向があります)。

腋窩多汗症は、明らかな原因がない「原発性腋窩多汗症」と感染症、甲状腺機能亢進症などの原因疾患がある「二次性腋窩多汗症」に分けられます。

症状

腋臭症はわきのにおい、腋窩多汗症はわき汗が多いことが主な症状です。

原発性腋窩多汗症には以下の診断基準と重症度分類(HDSS)があります。

診断基準

原因不明の多量の発汗が6か月以上続いていることに加え、以下の6項目中2項目以上を満たす。

  • 最初に症状が出現したのは25歳以下である
  • 両側性かつ対称性に発汗がみられる
  • 1週間に1回以上の頻度で多汗のエピソードがある
  • 家族歴がある
  • 睡眠時は発汗がみられない
  • 多汗によって日常生活に支障が生じている

重症度(HDSS)

1 発汗は全く気にならず、日常生活に全く支障がない

2 発汗は我慢できるが、日常生活に時々支障がある

3 発汗はほとんど我慢できず、日常生活に頻繁に支障がある

4 発汗は我慢できず、日常生活に常に支障がある

治療法

腋臭症の治療は手術、腋窩多汗症の治療はボトックス注射、外用薬、内服薬が選択肢です。しかし、実際には腋臭症と腋窩多汗症は混在していることが多く、相談しながら治療方針を決めていきます。

①腋臭症の治療

アルミニウムローションなどの外用薬が用いられることもありますが、効果は一時的かつ不十分なことが多く、腋臭症の治療は基本的に手術です。当院は小さな皮膚切開にこだわって手術を行っています。

1.手術

わきの皮膚を1カ所、1~1.5cmほど切開し、皮膚の下のアポクリン汗腺を取り除きます。皮膚を広めに剥離するため、手術後は血が貯まらないようにドレーン(血抜きの管)を挿入します。多くの医療機関では5cm以上の皮膚切開を行いますが、当院は1~1.5cmの皮膚切開で行っています(詳しくは下の動画をご覧ください)。

大きく皮膚切開しても小さく皮膚切開しても治療効果は全く変わりません。さらに小さな皮膚切開で手術を行うことにより目立つキズ跡や皮膚壊死などの合併症が起こるリスクは最小限になります。つまり、小さな皮膚切開で手術を行うデメリットは何もありません(メリットしかない手術法ですが、今のところ一般化されていません)。

手術時間は片側あたり45分程度です。手術は片側ずつお受けになることもできますが、原則として両方同時にお受けになることをお勧めしております。              

合併症

・感染、出血、創離開、肥厚性瘢痕、ケロイド、局所麻酔のアレルギー、腋毛(わき毛)が薄くなる

・においの残存・再発:完全ににおいがなくなるわけではありません(7~8割のにおいが減少し、2~3割程度が残るというイメージです)

手術前後の流れ

1

手術前日

手術を受ける側の腋毛(わきげ)を剃ってください。

2

手術当日

  • 着脱しやすい、ゆったりとした服装でご来院ください。腕を上げなくても着ることができる服が望ましいです。
  • シャワーを浴びてから来院する方が手術後の安静を保ちやすくなります。

3

手術後

  • 弾性包帯を使って圧迫し、肩から腕が動きにくくなるようにします(手術をした部位の安静のため)。
  • 仕事や学校など、普段通りの生活をしていただいて構いませんが手術後1週間は車を運転や重いものを持たないようにしてください。

4

手術1~2日後

ドレーン(血抜きの管)を抜くためにご来院ください。手術後2日目の夜に弾性包帯による圧迫を解除します。

5

手術1週間後

うでの安静の制限はなくなります。車の運転も普段通りしてください。

6

手術2週間後

抜糸をするためにご来院ください。入浴、スポーツともに制限はなくなります。

②腋窩多汗症の治療

二次性腋窩多汗症は基礎疾患の治療を優先します。原発性腋窩多汗症は治療選択肢が多く、保険診療でも治療効果が高いため、まずは保険診療内で治療を行うことを勧めております。

1.ボトックス注射

わきに片側あたり20カ所程度、50単位の注射を行います。注射の数日後から効果が出始め、1週間ほどで安定します。効果は半年(4~9か月)ほど持続しますので、毎年春頃に注射すると最も汗に困りやすい夏を快適に過ごすことができます。

妊婦、または妊娠している可能性がある方は注射を受けることができません。女性の方は注射後2回の月経が過ぎるまで、男性の方は注射後3か月間は避妊が必要です。

当院のボトックス注射は自由診療ですが、保険適用の費用とほとんど変わりません(両側22,000円)。

2.外用薬

エクロックゲルとラピフォートワイプの2種類が保険適用となっています。エクロックゲルは塗るタイプであり、ラピフォートワイプは拭くタイプという違いがあります。エクロックゲルは12歳以上、ラピフォートワイプは9歳以上の方に処方できます。

汗腺にある受容体に作用し、アセチルコリンという発汗に関与する物質の作用を抑制することで発汗が減少します。両方とも1日1回使うだけでいいのですが、根本的に汗の腺を取り除くわけではないので継続して使用する必要があります。手や足底、顔の多汗に対して用いることはできません。

外用部位の皮膚炎(かぶれ)、喉の渇きなどが起こることがあります(内服薬より頻度は少ないです)。

             

3.内服薬

汗の分泌を抑えるプロバンサインという内服薬があります。内服をやめると汗の量が元に戻るため、継続して内服する必要があります。喉の渇きや目の乾燥、便秘、眠気などの副作用がありますので、外用薬では効果が乏しいときに選択肢となります。前立腺肥大症や閉塞性隅角緑内障がある方は使用できません。

費用

手術

※両側の費用です。

※手術費用の他に、診察料、短期滞在手術等基本料(3割負担で約4,000円)などがかかります。

手術 約41,000円(3割負担)
約13,700円(1割負担)

ボトックス注射

※両側の費用です。

ボトックス注射(100単位) 22,000円
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