手湿疹
手湿疹
手湿疹とはいわゆる「手荒れ」のことです。
水仕事、洗剤、食品のタンパク質などによる刺激で皮膚のバリア機能が低下し、そこにさまざまな外からの刺激が加わることで生じます。そのため、美容師、飲食店員、医療従事者、主婦などの手作業が多い方に生じる傾向があります。
手のひらや手の甲、手首に赤みやかゆみ、亀裂などが生じます。腫れや水疱、皮むけが伴うこともあります。手作業による悪化の要素が強い方は利き手の症状が悪化しやすくなります。
最も重要な治療は「手にかかる負担を軽くすること」です。家事をご家族で分担する、食器洗い乾燥機を使う、洗剤や石鹸の使用頻度を減らす、水仕事をするときはゴム手袋を着用するなどの工夫が必要です。ただし、ゴム手袋自体が手湿疹の原因となっていることがありますので、過去にゴム手袋で手湿疹を生じたことがある方は、綿の手袋を着用してからゴム手袋を着用する、あるいはビニル製の手袋を使用するなどの工夫をしてください。
手洗いや水仕事の後は水分をしっかりふき取り、処方された外用薬を塗って下さい。
主にステロイド外用薬を使います。手湿疹の方は手作業をすることが多いため、外用薬のべとつきが気になることが多いようです。ステロイド外用薬は15分間ほどで薬剤が皮膚に吸収されるため、べとつきが気になるときは15分ほど経過後に軽くふきとっても構いません。寝るときは綿の手袋を着用すると薬剤の効果が高まります。
亀裂があるときはステロイド外用薬と亜鉛華軟膏の重ね塗り、あるいはステロイド含有テープ(エクラープラスター)を使うことがあります。
ただし、手湿疹の方は、ステロイド外用薬に加えて日中のこまめな保湿が必須です。保湿剤を処方しますので、学校や会社に持参し、手を洗う度に水分をしっかりふき取り、こまめに保湿剤を塗ってください。ステロイド外用薬を使っても、日中のスキンケアをきちんと行わないと手湿疹は軽快しないことがあります。
かゆみが強いときや眠っているときにかきむしってしまう方は、抗ヒスタミン薬などの内服薬も使います。