酒さ治療が抱える矛盾|クリニックひいらぎ皮膚科形成外科|目黒区・池尻大橋駅

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医療コラム

酒さ治療が抱える矛盾|クリニックひいらぎ皮膚科形成外科|目黒区・池尻大橋駅

酒さ治療が抱える矛盾

クリニックひいらぎ皮膚科形成外科の藤木政英です。

酒さは、鼻や頬、前額などに赤みを生じる疾患であり、赤ら顔と表現されることもあります(酒さ|クリニックひいらぎ皮膚科形成外科|目黒区・池尻大橋駅 (clinic-hiiragi.jp))。重症度に応じて、第1度(紅斑毛細血管拡張型)、第2度(丘疹膿疱型)、第3度(鼻瘤)に分類されますが、全員が第1度で発症するわけではなく、第2度で発症する方もいます。

一般的に「症状が軽いほど治療は簡単だろう」と思われがちですが、酒さの治療はそう単純ではありません。

酒さに対して唯一保険適用となっているロゼックスゲルという外用薬があるのですが、第2度で生じる紅色丘疹(赤いプツプツ)や膿疱(白いプツプツ)には有効ですが、第1度で生じる毛細血管拡張(赤み)には効果が乏しい(あるいは改善するまで時間がかかる)ことが報告されています。ロゼックスゲルの治療効果は下の図のようなイメージが理解しやすいと思います。

結果として、第1度に対しては(外用薬より侵襲やダウンタイムが大きい)VbeamやIPLなどのレーザー治療、ポテンツァなどが選択肢になります。そのため、第2度の方には「ロゼックスゲルを使ってみましょう」と勧めやすいのですが、第1度の方にはロゼックスゲルとレーザー治療の両方を説明しています(ちなみに、第3度の鼻瘤はさらに治療が難しく、外用薬、内服薬、炭酸ガスレーザー、手術などを組み合わせますが、今でも決定的な治療法は確立されていません)。

ロゼックスゲルが発売されたことで酒さ治療の選択肢が広がりましたが、海外ではアゼライン酸やミルバソゲルなどの日本で承認されていない外用薬も用いられています。日本でも第1度の方に有効性が高い外用薬が承認されることが期待されます。

藤木政英

監修 藤木政英(医学博士)
クリニックひいらぎ皮膚科形成外科 院長

皮膚科学と形成外科学の両面から最善の治療を提供しています。
これまで大学病院、虎の門病院、国立がん研究センターなど、第一線の病院で勤務してきた経験から、医学的根拠に基づく誠実な医療を行うことを心がけています。特に形成外科・皮膚外科の日帰り手術、レーザー治療に力を入れており、短時間で終える治療は初診時に行うことができる体制を整えています(詳しくはホームページをご覧下さい)。

皮膚や形態、機能の病気で悩む方に、「より良い人生を送るための医療」を提供するためにクリニックひいらぎを開院しました。

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